「自分ばっかりお山へ行っててずるいぞー。俺たちはどうなったんだ?何処か連れてけ。ただしあんまりキツくなくて景色の良い山がいいぞ。」
などと我がお散歩クラブのロートルメンバー二人は勝手なことばかりほざいている。しかし、今年はホントに大した山へ行ってない。今年の4月以降はクラブとしては行ってなかったので、流石に何処かへ行かなければならない。
そこでリクエストを募った所、Uさんから蔵王山がいいと提案された。何でも頂上近くまで車で上れるから、大して歩かなくてもいいとのこと。オイオイ、登山てのは歩くのが当たり前なんだけどな。しかし我がロートルクラブは皆あっちこっちが痛いだの、具合が悪いだの言ってるから、長丁場の山はどうしても敬遠される。Uさんの言うのももっともだから、今回は全員一致で決まった。蔵王山はまだ誰も行ってないのも決定の理由だ。
さて何分にもこの所お天気の方が不安定なので、行く日を決めるのが難しかったが、8月24,25日が雨がなさそうなので、この日に決定。当日は午前5時50分に我が家を出発。北陸道から日本海東北道を経由して、一路蔵王山を目指す。ところで蔵王山という名のお山は存在しなくて、幾つかの山が集まって蔵王山という山を形成している、まあ、赤城山や榛名山みたいな物だ。だから蔵王山と言うより、蔵王連峰の呼称の方がふさわしいのかも知れない。本日登るのはそのうち刈田神社の有る刈田山と最高峰熊野岳だ。その他外輪山は多々あるけど、軟弱な当クラブはこの位が適当な様で。
小国街道を通り、蔵王エコーラインやハイラインを上って行く。途中で気温はどんどん低下し、外気温の方が室内設定温度の21.5°より低くなり、冷房が暖房に切り替わってしまった。そして4時間余り車を走らせて、漸くゴールの蔵王レストハウスの有る駐車場に着いた。外はガスで一面真っ白。おまけに台風並みの強風が吹いている。
ガスの中を曲がりくねった道を通り、漸く着いたが、視界はこの通り。全然見え~ん。
レストランに貼ってある気象情報を見ると風速は8~11m 気温は11.5°と有った。どひゃー、さ、寒そう。こりゃあ雨具を着なけりゃならん。と言う訳で皆身支度を調え、10時20分いざ進軍開始。しかし風は猛烈に強く、油断すると体ごと持ってかれそう?まず刈田神社の有る刈田山を目指す。と言ってもレストハウスから僅か100Mほどの所だ。風が強い中、神社に辿り着く。ここで本日の安全祈願をして(あ、賽銭あげるの忘れた。これじゃ御利益無いよね。)ついでに社務所で山バッジを買う。登ってない所の山バッジを持ってるのはイヤだから、こうなりゃどうでも登らにゃならん。一同行ける所まで行こうぜと決心して出発。
刈田山神社もガスの中。
賽銭もあげんと登山の無事を祈願する。(図々しい!)
神社の側に有った寒暖計を見ると、11.5°どころか、何と7°。これに風が吹いてるから、体感温度は5°位かも?
とにかく風が強い。おまけにガスが掛かってるから、注意して進まなければならない。蔵王山はだだっ広いので、ガスが掛かると全く方角が分からなくなってしまう。そのため、道に迷わない様にコースに沿って標柱がズーッと立てられているが、これはホントに有り難かった。
コースを見誤らない様に標柱が立てられている。
途中までは全くお釜は見えなかったが、暫くすると僅かだが見えてきた。おお、刈田山神社の御利益、御利益。(賽銭もあげんと、よう言うわ)
風は相変わらず強いが、少し陽が差してきた様で、周囲がいくらか見える様になってきた。
おお、やったべ。お釜が見えてきたぞー。来た甲斐が有った。ふふふ、これもワシの日頃の心がけが良いからじゃのう。(勝手なこと言ってる)
「馬の背」と呼ばれる岩がゴロゴロしている急登に出る。正面に立つは石造りの避難小屋だ。
稜線の分岐点に来る。少しがガスが取れてきて、だいぶ遠くまで見通せるほどになった。
このストーンヘンジに有る様な石門は何のために作ったの?昔の避難小屋跡かな?
石造りの避難小屋じゃないと、今日みたいな強風だと飛ばされちゃう訳ね。
漸く周囲の山も見えてきた。今日は早くに登った人は失敗でしたね。この景色を拝めずに下山したんだから。
稜線上をちょっと行くと、蔵王山の最高峰、熊野岳とそこに有る蔵王神社が見えてきた。歩き始めて1時間20分ほど。こりゃあホントにお気楽登山だベ。今日は寒い位だから、全然水を飲まなかった。先週の鹿島鎗とはエライ違いじゃ。
蔵王神社と避難小屋。強風で手振れしてしまった。スマン。(風が強いと、そのせいに出来てエエのう)
最高峰熊野岳。頂上はなだらかで広いが、相変わらず強風が吹きまくっている。
蔵王山神社。下山の無事を祈る。因みにまた賽銭はあげなかったよ~ん。(この確信犯め!)
避難小屋に入り、昼食を摂る。頂上にこう言う小屋が有るのは本当に有り難い。外は強風が吹きまくり、とにかく寒い。ここで暖が取れるのは良かった。次から次へと登山客がやって来て、小屋はたちまち一杯になる。余り長居して他の人が入れない様では悪いので、昼食を済ませると、早々に小屋を後にして下山に向かう。
下山は一段と周囲が見えてきた。お釜も午前中とは比べ物にならないほどクッキリ。
湖面は妖しいまでのエメラルド・グリーンだ。
火口湖の周りの風景もおつなもので。右手にお釜を見下ろす展望台。
火口湖の近くまで下りて行ける階段。ここからの眺めは圧巻だ。
レストハウスを出た所の展望台。最初にここが見えてりゃねえ。奥の山が熊野岳。
まだまだ風は強いんだけど、すっかりガスが取れた様だ。午後からやって来た観光客は運がいい。
風が強くなくて、ガスが掛かってなけりゃ、まだまだ見たい所は有ったんだけど、まあ、今回は無理をしないことにした。本日泊まるペンション目指して再び車を飛ばします。続きはまた明日。