すかんぴんのブログ「今日もヒマだぁ~」

暇を持て余して、お山、お絵かき、蕎麦打ち、山菜採り、キノコ採り、音楽鑑賞、オーディオ、パソコンと、あれこれ手を出し、もがいているジジイのページです。

またしても平泉(長文ですので興味のある方だけ読んで下され)

 みちのくジャズ喫茶行脚の一行は17日朝8時に柏崎を出発。最初の訪問地仙台へ向かう。途中は天気が良くないので景色が見えず残念。晴れていたら磐梯山安達太良山が見えるのに・・・・高速を降り仙台に入ると渋滞に遭う。漸く目的地近くまで来て駐車場探しだ。何とか3カ所目位で空いている所に駐車できた。さあ、お次は腹ごしらえだ。仙台名物牛タンを食べようと言う事でMさんお勧めの店「一福」へ行く。店は間口が狭いが奥行きが長く2階も有るようだ。それにしてもこの辺は軒並み飲食店だ。昼飯を食うには困らないなあ。牛タンは歯の悪い私には少し堅かったが味は悪くないし、量もある。味噌角煮も付いて1350円は安い。腹一杯になって目的のジャズ喫茶「カウント」を探す。漸く探し当てたらまだ看板が出ていない。明かりが点いているので尋ねてみると開店は午後2時からだという。後10分程有るのでその辺をぶらついて時間を潰す。

 写真:訪れた「カウント」はまだ開店前。それにしてもこの建物はこんなにボロかったかな?インターネットの夜の写真だとよく見えるのに。

 広い通りと交差して狭い小路が何本もこの辺りには有る、様々なお店があってさながら以前の東京のガード下なんかを連想する。その小路のうちの一つにもう一軒のジャズ喫茶を発見。このお店はスナックのようだが開店時間を調べてこなかったのでやっているかどうかわからなかったので寄らなかった。ただインターネットを見た時の記憶では確かライブもやるお店だと言う事は覚えている。帰って来て調べて見たらランチもやっていたのでここでお昼を摂りながら音を聞いても良かったなと思った。だがそれだと牛タンを食べられなかったので寄らなくても良しとするか。(牛タンを楽しみにしていたMさんに悪いしなー)だが表からの感じは雰囲気が出ていて中々良いと思った。

 写真上:ちょっと手ぶれしててすみませんが「カーボ」と言うお店です
    中:壁に絵がペイントされていたりミュージシャンの写真が貼られていて
      雰囲気がある
    下:懐かしくなる小路通りのお店


 やっと2時になりお店に入る。もうレコードがかかっており店内は音で満たされている。マイルスとコルトレーンの共演のライブ盤で中々いい演奏だ。残念ながら私はこの盤を持っていない。スピーカーは店内に入ってすぐ左の所にあって聴取位置とは近接している。かなりの音量であるが正直出てくる音は期待に反してがっかりしたものだった。音がこもっていてぼやけている。スピーカーがあまりに聴取位置に近いため高音と低音が分かれて聞こえる。後でTさんとも話したがこんなに近くだったらA5ではなく同じアルテックでも同軸型の604辺りを使用するべきだったろう。それともカウンターがある奥行きのある方に置くべきだったろう。(今となってはどうしようもないが)まあ604とA5とでは集客力に違いがでてくるのかもしれないが。

 写真:インターネットで見た写真ではスピーカーの真ん中にCRTの
     ディスプレイが置いてあったが今はもうない。尤も無い方が
     すっきりしていいが。
     ちなみに真ん中に置いてあるのはベイシーおじさんの人形である

2枚目のレコードがかかり始めた。アート・ブレーキージャズ・メッセンジャーズブルーノート盤でこれも私は持っていない。さすが東北ではベイシーと並ぶジャズ喫茶でレコード枚数は相当なものだ。ただ出てくる音が残念なだけだ。Kさんが嘗て私に言った事がある。
 「すかんぴんさんの所の音は悪くないよ。ジャズ喫茶なんていい音出してる所は案外少ないんだ。勝負すれば8勝2敗位だよ。」
自慢になるがこの時はそれを実感した。マスターの所へ行って色々と話を交わす。聞けば以前はパワーアンプにマッキンのMC275を使っていたそうだがどうも良くないので現在のJBLのアンプに換えたそうだ。ただ後でTさんが言うにはあれはJBLのPA用のアンプで高いばかりで安いオーディオーアンプより音は良くないそうな、あーあ。プレイヤーはトーレンスのTD126、アームはSMEの3012、カートリッジはジャズ喫茶定番のシュアのタイプⅢだった。なおプリアンプは知り合いの方が作ってくれたのだそうな。マスターはジャズ喫茶の主人にありがちな尊大な所が少しも無くとてもいい人だった。写真を撮るのも快く許可してくれたし、お店の雰囲気もいい。音の事を言わないのだったらベイシーよりもむしろこちらでジャズを聴いていたい。もしまた仙台に来るような事があったら是非また立ち寄りたいものだ。あ、そうそうコーヒーも値段は450円なのにとても美味かった。この辺りにもマスターのこだわりと人柄がわかる。

 写真上:カウンター側。お酒を飲みながらいい雰囲気でジャズが聴ける。
    下:暗くてちょっとわかりづらいがオーディオ装置が店内の
      奥まった右側の辺りに置いてある。レコードもぎっしりだ。
      CDプレイヤーはアキュフェーズだった。

 もう少し聴いていたかったが先があるのでそそくさと店を後にした。この後一関に向かうのだが道が渋滞していて結局仙台にいた時間は2時間余りとなり大幅に予定が狂ってしまった。
 結局一関のベイシーに着いたのは午後5時近くだった。Yさんは旅館到着時間が気になるらしくベイシー滞在時間は30分と決定した。ひえ〜、はるばる柏崎からやって来たのに30分だけ?ま、いいか、私は昨年も聴いているんだし。

 写真:やっと着きました、お目当てのベイシー。車がたくさん駐まっていた。

店内に入ると大勢の若者達で一杯だった。今日は土曜日だし、やはり高速道路が無料だから大勢集まったのか?心なしか音量も前回よりも小さめなようだ。レコードが替わった。ペッパーのお馴染みのアルバム“Meets the Rhythm Section”だ。ここは普段余りジャズを聴かない様な連中が来るとこんなのをかけるのか?おまけに写真を撮っている者が何人もいる。中には平気でストロボを炊いている者もいる。前回は写真はご遠慮願いますって言われたのに・・・何じゃこりゃ?ギャルが来ると規定が甘くなるのか?いい加減だね。音はやはり良かったが中、広域は我家のシステムだとて決して聴き劣りはしない。ただ低域は別格であの大きさのがっちりした密閉箱に38cmウーファーを2発詰め込んだ音は締まっていてしかも良く出ていた。同じ物を作って一般家庭で鳴らしても部屋全体がビリつきとても聞けたもんじゃないと思う。土蔵造りのベイシーならばこそだ。

 写真:ベイシーの店内

 こちらはコーヒー代は1,000円だが味はカウントの方が良かった。予定の時間になったので今夜泊まる平泉の宿を目指す。本当はもう一軒ベイシーの近くにある「ロキシー」と言うお店を尋ねたかったのだが時間の関係で断念.
宿に着いたのは6時近く。何と毛越寺から車で1分程の所だった。早速風呂に入り夕食を摂る。風呂は一応温泉だった。宿泊料は一泊二食付きで6,400円から有るのだが少し張り込んで8,400円にしてある。その分夕食が豪華だ。食事は中々美味かった。宿代は安いし観光地には近いし、こりゃ穴場の旅館だ。
翌日は観光。私は前回と同じ所を見て回るのでちとあほらしいがこれも付き合いです、ハイ。毛越寺はまだ所々雪があった。雪のもっとあった真冬はそれはそれで春や秋とはまた違った風情があっただろう。

 写真:毛越寺庭園

 毛越寺庭園をちゃちゃっと切り上げて中尊寺へ向かう。朝早いのでまだ駐車場は空いている。しかしこれも有料だ。先ほどの毛越寺の駐車場もそうだが観光地は何でも有料だ。全く抜け目がないのう〜。ところで帰る時にわかったのだが反対側に無料駐車場があったのだ。アチャー、損こいた。昨年と違って紅葉の時期ではないしまだ朝早いので観光客は少ない。金色堂内部も空いていて見やすかった。私はどうした事か宝物殿を見落としていたので今回は見る事が出来て良かった。一回り見て帰途に就く。帰りの時間が余り遅くなっても困るので午前中に出発することにした。

 写真:中尊寺金色堂(写真で見えるのは覆い堂で金色堂本体は中にある)

 帰路の途中被災地を見るために仙台空港の方へ寄ってみる事にした。仙台空港が近付くにつれて高速道路に補修した所が出てきた。途中ボートが打ち上げられているのを発見。どうも高速道路を挟んで被災状況が違うようだ。被災地近くに瓦礫の山を見つけた。震災後1年も経つのにまだ瓦礫は中々片付かない。

 写真:瓦礫の山

空港まで行かないうちに被災地の現場に着いた。おそらくは住宅団地で会ったと思われる一体はまるで焦土と化したように家の基礎だけを残して何もない。僅かに残った何軒かの家は持ち主や家族がが亡くなったのか壊さずに残っていたがそれが反って被災のすごさを物語っている。また近くには流された車が集められていた。これらを見て改めてその被害の大きさと悲惨さが如実に感じられた。津波被害直後だったらとてもまだこんな物ではなかったろう。テレビの映像でその被害状況を見てわかっているつもりでも実際にその現場を見ると被害のすごさとそれに遭われた方達の悲しみと無念さが思われて涙を禁じ得なかった。その被害状況を見て他の被災地を見る気も無くなり帰途に就いた。
 
 写真上:壊れた家は大半が片付けられ後は荒涼とした空き地になっている
    中:壊されていない家は持ち主が亡くなったのか?
    下:流された車が集められスクラップ置き場と化している



 昼食を摂る予定でいた店が開いていなかったので結局高速道路のサービスエリアで摂る事にしたが1時を過ぎているのにレストランは行列が続いていた。止む無くその先のサービスエリアでということになり結局お昼は国見サービスエリアで2時を過ぎてからやっとありつけた。郡山ジャンクション手前でMさんが運転を代わってくれと言うので私にチェンジ。ところが磐越道に入ってからは雪靄のため真っ白で何も見えない。視界不良のまま240kmも運転したのは疲れた。北陸道に入って睡眠を十分摂ったMさんに黒崎SAで再びチェンジ。夕方6時頃までには無事に柏崎に帰ってきました。慌ただしかったような旅ではあったが野郎共4人の旅も悪くないなと思った次第でした。今度は6月辺りに北海道にでも行くか?