雨の晴れ間に畑の野菜を採りに出かけた。二日間を置いただけで茄子やズッキーニがすっかり大きくなっていた。西瓜殿はこの間草刈りをしたせいか？いささか元気がなくなっていたのが気になる。追加の肥料をやっておいたのでまた元気になって貰わねば。
ところでそんなことをしていると「カー！」と妙な鳴き声が聞こえたので振り返ってみると、ゲッ、カア公がいるではないか。今までこの辺りでは姿を見せなかったのに何で？どうやら隣の畑の人が野菜屑を畑に捨てたので、それを目当てに寄ってきたらしい。んで、奴さん、しきりにカー、カーと鳴いている。ん？仲間を呼んでいるのか？オイオイ、余計なことするな。ここの西瓜が見つかってしまうじゃねえか。
さあ、こりゃあ悪い奴に見つかってしまったな。折角ここまで育てた西瓜様をカア公ごときにつつかれて堪るか。取り敢えず鳥除けの糸を余計に張っておいたが、ずるがしこい奴らのことだから、これでも十分でないかも知れぬ。カラス君、トマトの１個くらいつついても構わないから、西瓜様だけは手を着けないでおくれ、などと女衒に大事な娘を女郎屋に引っ立てられる親の気持ちに思わずなってしまった。（なんちゅう例えじゃ！）
さてさてこの次畑に行った時大事な娘達は傷物になっていないかと昼寝をしながら心配するすかんぴんでした。
