すかんぴんのブログ「今日もヒマだぁ~」

暇を持て余して、お山、お絵かき、蕎麦打ち、山菜採り、キノコ採り、音楽鑑賞、オーディオ、パソコンと、あれこれ手を出し、もがいているジジイのページです。

病気の人は幾らでも

 妙高市二本木のSさん宅へYさん、Kさんと共に久し振りに訪れた。新しいプレイヤーベースの材料とするデュポン・コーリアンを貰いに行く為だが、前回訪れてからもう何年経っただろうか。

 Sさんはアンプ制作のみならずスピーカーのコーン紙も制作する妙高オーディオクラブの中でも異色の存在だ。柏崎のオーディオ仲間と不思議と馬が合うので度々交流している。

 さてお目当てのコーリアンはお安く譲って戴いて車のトランクに放り込み、早速オーディオの話題の方に花が咲く。部屋を入ると足下にコイルを沢山巻いたスピーカー・ユニットが目に付く。どうやらフィールド型スピーカーの様だが、ここまで磁力強化したスピーカーは初めてだ。これは勿論自作でSさんのオーディオ仲間の方がここまで作り、コーン紙制作をSさんに依頼した物らしい。

うわー、何だこのフィールドコイルの数は! 外周で4本、中心に1本の計5本有る。
病気の人は幾らでもいるもんですな。

こちらは38cm版。コイルの本数は更に増える。(笑)

 折角久し振りに来たのだからSさんがリコーンしたスピーカーの音を聞かせて貰う。まずはローサーの20cmフルレンジ。音出しした瞬間凄いエネルギーをを感じる。だがこれはフィールド型では無いとの事。う〜ん、パーマネントでここまで出るかと感心した。だが音が中高域に偏っているようだ。Sさんはこのローブーストアンプを加えるとバランスが良くなるんだと言ってアンプを追加して鳴らしてくれた。すると俄然格段に良くなる。到底20cm一発とは思えない低音から高音まで見事な広帯域再生をしてみせてくれた。しかも先程のエネルギー感である。もうこれが有れば大型スピーカーは要らないと言った感じだ。クラシックを聴かれる人はもう少ししっとり鳴らしたい所だが、ジャズ、ポップスならこれで十分だ。しかしローサーの音は聞いた事があるが、こんなに溌剌と元気のある音では無い。どうやらSさん制作のコーン紙がかなり影響しているらしい。

 しかしSさんが制作するスピーカーコーン紙の音は前回も聞かせて戴いたはずだが、こんな溌剌とした音では無かった。後でKさんやYさんから聞くとどうやらダンパーやらその他を変更したからだという。う〜ん、Sさんの技術も日々進化しているんだなと感心した。Kさんは甚くこの音が気に入ったらしく譲って貰えないかと早速交渉に入りました。さもありなん。私も今のシステムが無かったら御願いしたかも?

ど迫力で鳴ったローサーのスピーカー。まるでフィールドスピーカーを聞いているようだ。(白いサブバッフルに取り付けられているユニット)

 次はお馴染み通称”ロクハン”と呼ばれるダイヤトーンの16cmユニットP610のコーン紙を張り替えた物。これがまたもの凄い音で鳴ってくれた。少し容量の大きいバスレフ型の箱に取り付けられているのだが、カーテンで目隠しすれば大型のフロアスピーカーが鳴っているのでは無いかと錯覚させられる程の雄大な音を聞かせてくれた。しかも鳴りっぷりがこれまた良い。これも元のコーン紙であったなら幾らP610が銘器だとてここまでは鳴らない。

 Sさんが作るのは柿渋を塗ったコーン紙を使ったダブルコーンのユニットだが、先程も言った通り以前はこんなに鳴りっぷりは良くなかった。う〜ん、進歩したなあ。この鳴りっぷりならマニア達が作ってくれとSさんに依頼するのも頷ける。実際私たちの後もう一組のお客さんがあった。

し、信じられん。ロクハンがここまで鳴るとは!

 私たちはやや興奮気味で帰路についた。それにしてもSさんは高齢ながらも日々進歩しておられる。私達も大いに見習わなくてはと改めて感じさせられた訪問でした。