大相撲初場所で栃ノ心が優勝した。今でこそ栃ノ心がかつて膝の怪我で幕下55枚目まで落ちたことは語られるが、私は彼がその後頑張ってまた幕内に復帰してからのファンだ、むろんその前から気になっていた力士ではあったが。
ただ昔の彼の印象は怪力で左四つにならないとからきし駄目、不器用な力士というイメージしかなかった。しかしその評価が変わったのは幕内に復帰した有る場所に何と内無双という技をやってのけた時だった。えー、こんな技が出来るの！ 器用な力士なんだと評価を新たにした。そしてまじめな性格。感謝を忘れない態度。日本語も上手いと言うことも有って益々ファンになった。
私は外国人力士も日本人力士も差別しない。だから例え外国人力士と言えど真面目に努力している力士には陰ながら応援している。栃ノ心もそんな一人だった。今場所は立ち会いの踏み込みも良く、自分の得意の組み手が出来ていただけに、今場所はかなりやるのではないかと思っていたが、まさか優勝するとは。（笑）
栃ノ心は自分の型を持っているだけに当たってくれば強い。今場所の相撲を忘れずにやって行けば大関も夢ではあるまい。一所懸命努力して頑張っている者は相撲の神は見捨てない。栃ノ心は場所前しっかり稽古出来たという。稽古はやはり裏切らないのだ。外国人力士のみならず日本人力士にも良いお手本になったと思う。
相撲協会はどうも日本人横綱を大事にしたがる傾向があるが、今場所を盛り上げてくれたのは前半は鶴竜、後半は栃ノ心だ。不甲斐ない日本人横綱に活を入れる平幕優勝は近年の痛快事で有ることは間違いない。
