キーボードたってパソコンのそれじゃあない。電子楽器のキーボードだ。実はまだこの楽器のお安い物が出回り始めた頃、そう30年以上も前になろうか。ヤマハのポーターサウンドという名前で売り出された物だ。調べたら1980年の12月の発売だった。確か出て直ぐに買った覚えが有る。エレクトーンなんかに比べると遙かに安価で、しかもミニ鍵盤の32鍵〜44鍵くらいの奴だったので、持ち運びが容易と言う事で飛びついた。
しかしこれは何にでも飛びつく私の悪い癖で、そもそも楽器をどれ一つとて満足に弾けない私がこんなの買ったからと言って弾けるはずもないのだ。こう見えても私は超不器用なのだよ。（見なくたって不器用とわかるわい。――コラー！）だから玩具代わりに使っていた。何せお安くなったとは言え、当時3万6千円もしたのだから、使わないでいるのは勿体ない。
そんな時姪っ子のＵが遊びに来て私がキーボードをいじってるのを見て
（弾いているのでは無く、いじっているのです、ハイ）弾かせてくれと言う。彼女は小学校時代ずーっとピアノを習っていたから、キーボード如きはお茶の子さいさいだ。おまけに色んな音色、リズムを楽しめるから、彼女には面白くてしょうがない。やがて貸してくれと頼むから貸してやった。以来二度と私の元には返ってこなかった。
時は移り、ある時街で丸められるキーボードが中古で売られていた。丸めて運べるという面白さと、Ｕにキーボードを持って行かれた寂しさとから、私はまたもやこれを衝動買いした。衝動買いしたところで腕が上がっていた訳じゃない。相変わらずの指1本でどうにかメロディーを弾くレベルだ。
まあ、これで時折楽しんではいたのだが、こいつには一つ欠点があった。それはゴムの上に鍵盤を並べたような作りだったせいか、時折鍵盤を押しても音の出ない事がよくあったのだ。只でさえ下手なのが益々下手に聞こえるではないか。（もうそれ以上下手には聞こえないんだから、気にする事無いのに･･･・・）以来なんとなくつまらなくなってそいつにはあまり触らなくなった。
しかしこの前中古品屋さんへ行ったらキーボードの良い奴がえらく安く売られているではないか。私が買った当時の物と比べても鍵盤も大きく数も多い。しかも多機能だ。（使いこなせないくせに、そんな機能いらんだろ）おお、今やキーボードはこんなに安くなっているのかと感激し、早速オークションで手に入れる。（また懲りもせずに良くまあ買うよ）百曲の音源入りです。これでキーボードを弾けなくたって、この百曲を聴いて楽しめる。（何のこっちゃ）
少し貯まっていたＴポイントを使ったから、送料を入れても4千円かかってない。ふふふ、まあこれくらいなら無駄遣いにはならんじゃろ。（十分なるよ）
と言う訳でネットからダウンロードしたキーボードレッスンを使って練習しようかという（注：練習している訳ではない）毎日なのです。さーて今度は何日で飽きるかな？（アホ！）
またもや衝動買いしたキーボード
