スマホに替えた事を遊びに来たＫさんに告げたら、すかさず
「堕落したな、お主」
と揶揄されてしまった。と言うのも私の周りの友人は皆ガラケー派だったからだ。その主なる理由は「電話さえかけられればよい」とか「大きすぎてポケットに入らん」「あんなもん、使ったら、しょっちゅうピコピコやる羽目になるから嫌だ」「使用料金が高い」とか様々だった。
私の場合は「使用料金が高い」事から使わなかっただけなのだが、あんなものに四六時中捕らわれているようでは困るし、カメラとして使うならちゃんとしたカメラを使えば良い。外へ出てもしょっちゅういじっている様はどう考えたってオトナのやる事ではないし、見てくれも良くない。あんなのばかりいじっていれば、碌に本も読まないし、大した音楽も聴いてない。だから常識程度の事も分からないのだと言うのが大体のＫさんの言い分である。
そんなアホ共の使うスマホを買った私は言わば彼等の仲間入りをした。だから堕落したのだと決めつけられる。ふん、いいんだもーん。オイラ前から欲しかったんだけど、貧しい年金生活者だから買えなかったんだよ〜ん。安けりゃとっくに買っていたもん。だが最近は格安スマホとやらが売り出され、ラインという通信料が只になるアプリが出てくるに及んで、オイラみたいな貧し〜い者にも手の届くようになった。この機会をどうして逃せようか。
大体Ｋさんはパソコンからして好きではないのだ。しかし時代はパソコンを使わざるを得ない時代に突入している。Ｋさんがいくら嫌いだと言っても仕事柄意に反して自分でも使っているではないか。スマホも同じである。時代が要求しているのである。
とは言えみんながみんなパソコンを使いこなせないように、スマホも使いこなせないし、必要としない人も少なからずいる事は確かだから、ガラケーは多分これからも存続するだろう。まあ、私は堕落したと言われようが、通信料は安くなったほうがいいし、便利な方がいいもーん。Ｋさんよ、昔私が車にナビを搭載しようとした時、散々十連奏のＣＤプレイヤーの方が良いと言ったけど、今になったらどうだ。自分も今ではナビを使っているし、車に搭載されているのが当たり前になった。それに比べて十連奏のＣＤプレイヤーなど搭載している人はほとんどおるまい。ふふふ、これで分かっただろう、どちらが時代を見る目があるか？ だが頑固な彼は世の中の他の者全員がスマホに変わったとしても、ガラケー有る限り、オレは断じてスマホに転向せんと言うだろう。ハイハイ、今だってガラケーでネットが使える状態で高い料金を払っているくせに。全くお金持ちはノー天気でええのう。
