今週は常連客のKさんとMさんが一度も顔を見せなかった。Mさんは色々と仕事が忙しかったのかも知れないと思ったが、Kさんにはこの間青梅へ行った時の土産を買ってきたぞと言ってあるのに、現れないのはどうしたんだと思っていた。
まあ日持ちのする菓子なので、少しくらい取りに来るのが遅れても構わないのだが、徒に賞味期限が近づくのも何だから、もし今週中に来なければ、ああ、要らないんだなと勝手に理解して、こちらで食べようと思っていた。(ヒドイ!)
んで今日はこの間青梅のお蕎麦屋さんで食べた蕎麦が稲庭うどんを細くしたような蕎麦で、香りも何も無く、美味しくなかったので、口直しに自分で打つ事にした。幸い滝本駅で買ってきたわさびも有るし、今日は旨い蕎麦を食べるぞーと意気込み、そろそろ支度に取りかかろうと思っていた矢先、「ジャッジャジャーン」と決まり文句の登場台詞でKさんが現れた。
全く蕎麦というと、この男は鼻が利くのう。まだ打ってもいないのに感づくとは。これから蕎麦を打とうと思っていたと話し、早速準備に取りかかる。
蕎麦を打つのは以前と比べてかなり早くなったし、失敗する事が少なくなった。ちょうど正午くらいに出来上がって食べ始める、やっぱりすりおろしたわさびが旨い。それと我が家の蕎麦は正真正銘の二八蕎麦。ちゃーんと蕎麦の香りも味もしますよ。お蕎麦はやっぱりこうでなくちゃ。だからお店で戴く蕎麦に滅多に満足の行く物に当たった事が有りません。
え、それならば店なんぞに入らないで毎回自分で打てばですって? 毎回毎回そんな面倒な事やってられますかいな、アアタ。お店は自分で面倒しなくていいから入るんです。ただ少しでも美味しい蕎麦を食べたいと期待して入るんですが、どういう訳か大概これが期待外れに終わるんですな。
Kさんなんかはそれを承知しているから、この頃は滅多にお蕎麦屋さんへ行かなくなった。大抵我が家で食べるか、二八蕎麦の乾麺を買ってきて自分で茹でる。しかし今日は良くオイラが打とうと思っていた時にタイミング良く来たもんだ。やっぱり蕎麦好きは鼻が利くんだねえ。
Kさんは蕎麦を食べ終え、土産を受け取ると、後は用は無いとばかり、さっさと帰っていった。