すかんぴんのブログ「今日もヒマだぁ~」

暇を持て余して、お山、お絵かき、蕎麦打ち、山菜採り、キノコ採り、音楽鑑賞、オーディオ、パソコンと、あれこれ手を出し、もがいているジジイのページです。

いい音とは何ぞや?

 先日Tさんがウチの町内のオーディオ仲間のSさんちの音が聴きたいというので案内した。まあ彼がSさんの所の音を聴きたいと言ったのは、私が彼の所の音は変だと、やたら言うものだから、一体どんな音か、聞いてみたくなったと思われる。

 

 当日TさんはPA用のスピーカーとCDプレイヤー、アンプミキサーなどを携えて、Sさん宅を私と共に訪問。ひとしきり彼の装置の音を聴いたが、感想は私と同じで音がバラバラと言うこと。しかも聴取位置がかなり前なので、余計にバラバラ感が強くなる。どうやらSさんはこのバラバラ感をステレオ感と勘違いしているのでは無いかと、私とTさんの意見は一致した。

 

 確かに最近の音の良いCDなどは一音、一音は綺麗なのだが、どうにもまとまり感に欠ける。落ち着いて音楽を聴く気になれない。まして長時間聴くことには、とても耐えらえそうもない。しかし、Sさんは甚くこの音が気に入っているようで、大音量でスピーカーにかぶりつくように聴いている。

 

 ここでTさんが自身が持ち込んだ装置でCDを再生。確かにPA用のスピーカーなので、音はやや粗いし、歪みも少し有るが、音のまとまりは良い。低音などは20cmサイズなのに38cmスピーカーを使っているSさんの物より、いくらミキサーで持ち上げてるとは言え、良く出ている位だ。そしてSさんのところで聴かせてくれるCDで、音がいいなと思われるのは、みな最新録音なのである。昔の’50年代録音のCDなどは薄味で力が無く、聴いていてもちっとも面白くない。本人もそれが分かっているから、最近は音の良いCDばかりを聴いているのだろう。

 

 しかし本来は昔の録音でも上手く鳴らせなければ駄目なのである。音の良いCDは上手くなって当たり前だ。でもそれさえも私達の耳からすると、上手く行ってるとは思えないのだが・・・。

 

 一体いい音の定義とは何だろう? 生演奏に限りなく近い音か? 演奏の実態感を伝えてくれる音か? それとも自分の好む音か? でも自分の好きな音と言っても、それがオーディオの本道から明らかに外れた音であれば、それは独りよがりと言う他は無い。

 

 Sさんの所に私達二人でケチをつけに行ったようで、申し訳なかったが、彼は何事にも一所懸命で、特にオーディオには金もそれなりにかけているので、このままだと、あまりに勿体ないと思うからだ。もうちょっとオーディオの基本に立ち返ればいいと思うのだが、彼には彼の矜持があるから、おいそれとは変えないんだろうな、きっと。

 

 オーディオは個人の趣味だから、確かに自分が満足していれば、他人がとやかく口を挟むことは無いのかも知れないが、だったら他人を呼んで聴かせなければいいのだ。何だかんだ言って、色々あちこち構って、「音が良くなったから、聴きに来ないか?」と誘うものだから、つい、ケチをつけてしまうのだよ、Sさん。

 

 ちなみに私のオーディオ仲間でSさんのような音を出している者は一人もいない。多少の音の差こそあれ、みな安心して聞ける音です。私達のアドヴァイスを素直に聞いてくれればいいんだけどねえ。オーディオをやっている人って、意外とプライドが高くて頑固なんだよねえ。困ったもんだ、嗚呼。