すかんぴんのブログ「今日もヒマだぁ~」

暇を持て余して、お山、お絵かき、蕎麦打ち、山菜採り、キノコ採り、音楽鑑賞、オーディオ、パソコンと、あれこれ手を出し、もがいているジジイのページです。

第九三昧(長いです)

 年末恒例となっているベートーヴェン「第九」演奏会だが、生演奏を聴きに行ったのは年が明けたので、一昨年の暮れになるが、それが初めてだった。一つには猫も杓子も第九演奏会にミーハー的に出かけるというのが、どうも気に入らないと言うへそ曲がり根性もあったが、生の音の良さに騙されて、実は演奏はそれほどでも無いというのが多いからである。まあ、それでもそれはそれなりの良さが有るので、一度くらいはと出かけた訳だ。聴いたときの印象が薄れればまた生演奏を聴きに行く事が有るかも知れない。

 

 で、普段は専らレコードで楽しむようにしているが、この第九演奏の定番と言おうか、決定盤というのがフルトヴェングラーが指揮した1951年録音のバイロイト祝祭管弦楽団の演奏で、クラシックファンなら誰知らぬとてない名盤で有る。これをこの所暮れになると掛けていたのであるが、聴いているといつも不満が募っていた。と言うのも私の持っている盤は日本盤。それも東芝が事も有ろうに疑似ステレオ、おまけにLP1枚に収録したとてつもなく音の悪い盤で有った。元々の原盤自体決して音は良いとは言えないのだが、この盤はひどすぎた。私は嘗てモノラルLP2枚に録音された盤を探していたのだが、当時はすでに廃盤だったのである。

 

 その後東芝も新たに本来のモノラル盤にして、しかも音質も良くして限定盤で再発したのだが、やはりこの盤の人気は高く、そのときも入手し損ねた。(あんらまあ、お気の毒に)そんな訳で以来ずっと音の悪い盤に甘んじていた。ところがネットが発達したお陰でCD音質ではあるが、最近ダウンロードする事が出来た。これを年末に聴く。残念ながら51年録音では無く42年録音の物ではあるが、それでもフルヴェンの指揮の凄さは味わえた。願わくはこれがLPで聴けたならというところである。

 

 ところが昨年末、パソコン修理に上越市にお住まいのオーディオ仲間、Mさんの所へお邪魔する機会があった。以前も書いたようにパソコン修理は1分で終わりで、残り3時間はレコード試聴に費やしたのだが、その中でこのフルヴェン指揮の第九のレコードが有った。これが何と45回転盤3枚組で音が良い。う~、クソ、ウチもこのくらいで聴けたらなあと思ったが、無いものはしょうがない。まあこんな盤も有るんだと言う事で、聴かせて貰っただけ良かったと、そのときは満足して帰った。

 

 だが帰ってから、ああ、昔と違うんだからオークションで探せるはずだと思い、早速検索してみた。だが45回転盤は無く、昔出ていたモノラル盤は有った。だがそれと共に外盤の仏蘭西パテ盤が出ていた。クラシック評論家の宇野功芳氏の話によると、このパテ盤は今迄聴いた中で一番良かったという。そこで国内盤は止め、これに決めた。私もパテ盤は結構持っているので、音の良さは分かっているつもりだ。お値段1,000円。送料1,100円。「飴の銭より笹の銭」だが、この際そんな事は言ってられない。早速落札した。

 

 届くのを一日千秋の思いで待ち、届くや否や早速ターンテーブルに載せた。モノラル盤で有るから当然モノラル装置で聴く。圧巻だった。もう今迄聴いていた盤とは比較にならない。そもそも全然別の演奏のように聞こえる。(笑)Mさんのお家で聴いた物よりこちらが断然良い。やはりパテ盤は音が良かったのだ。

 

 と言う訳で、漸く念願の音と演奏で第九を聴く事が出来る。それにしても昨年末、最初にトスカニーニ指揮の第九をレーザー・ディスクで見てから(聴いてから)、これで第九の演奏は今年にかけて立て続けに5回聴いた事になる。まさしく第九三昧だったが、念願の盤を手に入れ、我が家の年末恒例レコード演奏会となりそうです。

 

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パテ盤の「第九」