音楽を聴きながらパソコンをやっていたら、突然背後から「オーイ」という声。何だコーさんか。コラッ、チャイムも押さずに突然入ってくるな。それに俺の背後に立つな。命が幾ら有っても足らねえぞ。(ゴルゴ13じゃ有るまいし)
コーさんは何やらごっそり袋に入れて持ってきた。見るとレコードで有る。
「これ、もう聴かないんでオークションで売ってくれ。」
「レコードかあ。レコード、あんまり売れないんだよね。だってほら前にコーさんと一緒にレコード買った時、誰も入札してなかっただろ。余程安くないと売れないんだよ。おまけに俺たちはアナログレコードだろ。若い人達はアナログプレイヤーなんて持ってないから、尚更なんだよ。まあ、いいや。幾らで売りたいの?」
「任せる。何枚か組で幾らで売って貰ってもいいし。」
「あ、そう。でも一度にネットに上げるの面倒だし、少しずつでもいいかい?」
「それも任せる。」
と言う事で商談成立。まあ、私の手数料は売れてから考えりゃあいい。コーさんも段々レコードの置き場所が無くなってきたので、整理するつもりになったらしい。私も人の事は言えない。もう普段聴くレコードはレコード棚が満杯になり、これでもかと言うくらいぎゅうぎゅう詰めにしてあったから、レコードの出し入れも難儀するくらいだった。
漸くこの間レコードを分散収納したので、何とか出し入れが容易になった。まあ、私もほとんど聴かないレコードは沢山有るんだけど、どうも思い切って処分出来ない。聴かないって事は愛着がないって事だから、売っても構わないのに、処分出来ないのは貧乏人の性ですな。つまり買った時は幾ら幾らしたのに、こんな値で売るなんてと言う意識が働いて駄目なんですな。聴かないからもう自分にとって価値は無いと分かってるんですけどねえ。
そうして徒にレコードが増えて行き、居住空間を圧迫するとですよ、はい。挙げ句の果て、売るのは面倒だとばかりゴミ捨て場行きになったりして。(笑)それはともかく他人様からオークション出品物を預かり、狭い我が家は益々狭くなって行くのでした、嗚呼。