最近どうも自分はオヤジ殿に益々似てきたなと思う。朝早く目が覚めるのは年寄り症状だからして、別にオヤジ殿に似ているとは言えないが、食後寝や、腰が曲がったりしたところなどは全く同じだ。若い頃はどちらかと言えばお袋に似ていると自分では思っていたのに、いつの間にかオヤジ似になってしまったようだ。
体の大きさは多分に母親の血筋だが、顔の小さいところは明らかに父親の血筋である。長年一緒に暮らしていたせいか、考え方もよく似てきたように思う。余りはっきりと結論を出さない。悪く言えば先延ばし？良く言えば多様性の重視？さりとて簡単に駄目とは結論づけない。あくまで個人の思いを最優先する事などである。
これを聞けば悪友共は「すかんぴんにはそんな柔軟性は無い。もの凄く頑固だし、へそ曲がりだ。」と言うに違いない。あー、まあ、コホン、確かにそういう所も無いとは言えんが、しかしそれはほんの上っ面を見ているだけで、拙者の内面の真実というのがわからないからじゃよ。
ウチのオヤジ殿は反骨精神が結構あった。私もどうもそれはしっかり受け継いでいるようで、長い物には巻かれろと言う考え方が大嫌いである。従って今の政治のようにどう考えても明らかにおかしいだろうと言うような事がまかり通る事が許しがたいのである。しかし余りに貧しいとやがてその純粋な考えが生活に追われ、段々とねじ曲がって行くものである。だからオヤジ殿は良く「恒産恒心」とか「貧すれば鈍する」とか言って、極力極貧にならぬよう努力していた。
私もその考えには同感で、そうでないと我々のような小人（しょうじん）は平常心を保てない。そしてオヤジ殿は貧乏でも生活の楽しみ方を知っていた。私も今じゃ侘しい年金生活だが、好きな趣味をやったり、山菜採りや畑仕事に汗を流し、結構今の生活を楽しんでいる。金が無くてもホント人生は楽しめますね。オヤジ殿が身をもって教えてくれたような気がする。親に似ぬ子は鬼っ子だという言葉がありますが、しっかり似てきたなと実感しています。
