すかんぴんのブログ「今日もヒマだぁ~」

暇を持て余して、お山、お絵かき、蕎麦打ち、山菜採り、キノコ採り、音楽鑑賞、オーディオ、パソコンと、あれこれ手を出し、もがいているジジイのページです。

9Aのステレオ針(オーディオの話で長いです)

 今私は2台のレコード・プレイヤーと5本のトーンアームを使ってそれに応じたカートリッジを使っているが、中でも最近のお気に入りはグレイのアームにデンオンのDL103を付けた物と東京サウンドのアームにヨーさんが作ってくれたSP盤用カートリッジだ。その他モノラル針はウェスタンの5Aアームに付けた9Aカートリッジやコロムビアの53プレイヤーに付いているパイプ・アームに付けたオルトフォンCG25Dを使用している。

 

 そのモノラル針だが元々9Aは2ミルの針がついているものであって、モノラルLP盤用の針は付いてない。ではどうしたかというと使っている人が勝手にモノラル用の針に取っ替えたのである。無論こんな事は誰にでも出来る事では無い。それを出来るだけの技術と理論が分かっている人でないと出来ない。例えばフーさんやヨーさんのような人だ。この9Aカートリッジはその仕様に改造した物をフーさんが私に譲ってくれた物だ。

 

 元々の2ミルの針はVディスクやトランスクリプション用の物で他の盤では使えなかった。レコード盤の溝の広さと針の太さが一致しなかったからである。従って9Aカートリッジがどんなにいい音がしても通常のLP盤では使えなかったのが癪の種であった。

 

 しかしやはりマニアの執念でフ-さんのように聞けるようにしてしまう人がいるから恐ろしい。(笑)で、そうなってくるとモノラルばかりでなくステレオでも何とかならんかと言う事になる、そこで0.7ミルのステレオ針を付ける事になる。9Aは中に発電用のコイルが2本入っている事から完全なステレオにはならないが、擬似的なステレオになるそうだ。後はアームの配線をステレオ用のそれに替えてやれば良い。

 

 実は昨日ステレオ針に替えた物をヨーさんが持ってきてくれた。些か針が短いのが気になったが、何とか腹をこすらないでトレース出来たようなので、(その時はモノラル盤で試した)本日ステレオ盤を掛けてみた。突然大きな音が出る、どうやら今迄使っていた物よりかなりのゲインのようだ。そこでチャンネル・デバイダー・アンプの音量を少し絞る。

 

 9Aカートリッジはかなりの重量で針圧は30~35gは掛かっていよう。通常のカートリッジの針圧の10倍から12倍くらいである。これだと盤にかなりの負担が掛かり、9Aで溝が削られかねない。いくら9Aが音が良くても使わないという人はこの針圧のためかと考える。そこでアームの端に何か乗せ、重量バランスを取るのが良いのだが、フーさんの話だと、どうも針圧が7g以下くらいになると、サ行の音が強くなるとの事。

 

 本日はアームに適当なおもりを乗せ、やってみた。試聴版に使うレコードはヴォーカル物が分かりやすいので、金子由香利の「夜よさようなら」を使った。私はこの盤を2枚持っている。うち1枚は針飛びを起こしたり、ノイズが出て来ているので、実験には惜しげもなく使える。(笑)

 

 試聴した結果は音は中々良いのだが、幾分か高域のエネルギーが強いように感じられた事と、やはりサ行の音が強くなるのには参った。これでは落ち着いてレコードを聴いていられない。そこでおもりを幾分か前方にずらして再度聴いてみた。今度は先ほどと違ってそんなに気にならない。十分に聴ける。試しにグレイのアームに取り付けた103カートリッジで聴いてみる。どちらも骨太のサウンドだが、こちらの方が爽やかに聞こえるし、チャンネル・セパレーションは流石に本格的なステレオ針だからずっといい。ただ9Aカートリッジは音にメリハリがあって一本調子にならないのが良い。

 

 どちらを選ぶと聞かれたら、今のところは103の方に軍配を上げるが、9Aの音も捨てがたい魅力がある。まあ9Aの方は当分使っていれば、更に調子が出て来るかも知れない。ただこれだけは言える。グレイ、5A共、パイプアームでは決して聴く事の出来ないがっしりした安定感のある音を聴かせてくれる事は確かだ。当分またレコードを聴く日々となりそうだ。(笑)

 

 あと心配はこのちょうど良い音になった5Aアームのバランスが果たしてどれ位の針圧を盤に掛けているかだ。まあ、針圧計をネットで買ったので、それがくればいずれ分かる事だが、出来れば10g以内であって欲しい。(笑)