すかんぴんのブログ「今日もヒマだぁ~」

暇を持て余して、お山、お絵かき、蕎麦打ち、山菜採り、キノコ採り、音楽鑑賞、オーディオ、パソコンと、あれこれ手を出し、もがいているジジイのページです。

今年も難産でした

 やっと今年も苦労の末出来ました、「すかんぴんオリジナルカレンダー」。まあ、何たって写真在庫が残り少なくなってきた中から選ぶのですから容易ではありません。かなり写真の出来が悪くても選ばないとカレンダーその物が出来ませんので、ここは目をつぶり、エイヤッと選びました。

 

 コロナ禍だったのでわざわざ遠くまで写真を撮りに行く訳も行かず、もうほとんど出たとこ勝負です。(笑)  エー、戴く方は只で差し上げるのですから、決してケチなど付けませぬよう固く申し上げておきます。(笑)

 

 さて目出度く出来ましたので、早速印刷しようかと思いましたが、紙の在庫が余り無いので買いに行ったところ何処にもA3の高品位用紙は置いてありません。止む無く取り寄せて貰う事にしました。したがって完成はもう少し先になりそうですが、ネットの皆様方には特別に先行してほんのお触り程度紹介致しましょう。(なんちゅう言い方じゃ)

 

表紙でっせ。今年は少しシンプルにしております、ハイ。

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8月ですねん。

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 なおこのカレンダーの著作権はすかんぴんに有りますので、決して無断でダウンロードなどしないようお願い申し上げます。(一流デザイナーみたいな事言って。誰もアンタのカレンダーなんかダウンロードしねえよ)

茨城に遊ぶ

 11月20,21日と茨城のオーディオ仲間、フーさんの所へ遊びに行ってきた。コロナ禍でお互い中々行ったり来たり出来ないで、私としては昨年4月にアンプとドライバーを買いに行って以来だから、およそ1年7ヶ月ぶりになる。

 

 この秋収穫した菊芋と使ってないローテルのアンプを一緒に持って行った。このアンプが超弩級のアンプで重量は40kg以上有るのではないか。まあ電源の塊みたいなものだ。出力は多分片チャンネル1kwくらい出るんとちゃう? 

 

 ま、それはいいとして年寄りは早く寝たら朝早く目が覚めるので、家で夜が明けるのを待つよりも車を走らせた方がいいと思って、午前4時に我が家を出た。で、途中で朝食を摂ったりしながら向こうに着いたのは午前8時半。フーさんも私がこんなに早く来るとは思ってなかったみたい。何せお昼頃までには着くだろうって言っておいたから。(いい加減な奴)

 

 この日はフーさん宅の取り壊した古い方の井戸の「井戸収め」をすることになっていたので、ついでに私もお邪魔虫になってしまった。まあ、こういう事に立ち会うのは滅多に有りませんから貴重な体験です。

 

はい、井戸納めの神事です。お天気が良くて良かったですね。

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 さてお天気がいいのに昼間っから部屋に閉じこもって音楽を聴くのも何だろうという事で出掛ける事になりました。で、着いたところが道の駅常陸大宮「かわプラザ」です。フーさんはオイラがここへ来るのは初めてだと思ってたみたいだけど、なんのもうこれで3回も連れてきて貰ってるよ~ん。

 

道の駅常陸大宮「かわプラザ」

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 ここでお昼の蕎麦を食べようって事になったんだけど、蕎麦打ちの実演をやってくれていたので大いに参考になると思い、ずーっと見ていました。特に水回しの所。ところが案外簡単にやっていたんで拍子抜けしてしまった。オイラの方がずーっと丁寧にやっているぞー。なのに後で蕎麦を食べた時は非常に良く繋がっていたのでビックリしてしまった。クソー、一体オイラと何処が違うんじゃ?(キミキミ、そこが素人とプロの差なんじゃよ)

 

蕎麦打ちの実演。ここは丸出しをやっているところ。

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あ、いかん。また写真を撮る前に食べてしもた。でもこの蕎麦細麺でとても美味しいです。久し振りに美味しい蕎麦を食べました。鮎の天麩羅もグー。

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 さてお風呂へ入りに行ってきてから愈々オーディオ機器の試聴です。まあなんと言ってもEMT927のプレーヤーでしょう。とにかく音がしっかりしていて抜けも良い。SN比がとんでもなく良いように聞こえる。やはりオーディオは入り口ですな。アンプもアルテックの1570Bとアンペックスのアンプを主として聴かせて戴いたが、私はアンペックスのアンプが力感だけでなく、色気やしなやかさも出ていて好みだった。ただ両者の差はほんの僅かな違いだから、この辺は人によって意見が分かれるところかも知れない。

 

圧巻です、WE212の大型真空管が3本鎮座してござる。

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こちらはそれを使ったアンプ。

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左から超弩級管球アンプのCAT(コンバージェント・オーディオ・テクノロジー)JL-2 Signature、ALTECの1570B、その後がアンペックス。(いずれもモノラルアンプ2台ずつ)

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以前コロムビアの局用プレイヤー2台が有ったところには、代わりにEMT927が2台収まっていた。

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WE594ドライバーの残骸が無造作に転がっております。(笑)

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 その夜は大いに飲んで音楽を楽しく聴いて過ごしました。で、翌朝朝寝ぼけ眼でいた私を起こしてくれたのはこの方。

 

にゃ~ん。可愛らしい声で起こしに来てくれましたよ~ん。実はこの猫捨てられていたのを気の毒がって奥様が拾ってあげ、フーさん共々大事に育て上げました。とても人なつこい猫ちゃんで、名前は節分の頃拾ったから「マメ」だそうです。

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この子の毛色は黒ではなく、「錆色」です。そして右足が白いソックスを履いたように白いのが面白い。しっぽは断尾したように短い。胴が短く、全体的に小さいですが、野良猫の時と違って栄養状態が良いせいか、コロコロと太ってま~す。でもそれが反ってカワユイ。フーさんをとっても大好きだそうで、いない時は涙を流していたそうです。(笑)

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 さて成長したマメちゃんにも会えた事だし、楽しい思い出が出来て帰路に就きました。アンプは買おうかな、どうしようかなあ。まあ、懐具合と相談してみますぅ。(笑)

きのこはどうなる?

 二日に渡って茨城のオーディオ仲間フーさんの所に行ってきたが、まあそれはいずれ書くとして、その間こちらはお天気が良かったようだ。ところが明日からは一転してずーっと雨模様。気温も大幅に下がるとの事。

 

どうしよう。キノコの様子を見に行けないではないか。ヒラタケは昨年は11月22日に採っているし、ナメコも12月6日だが、こちらは少々遅すぎた嫌いが有るから、やはり来週中には何としても下見をしておきたいところだ。せめて間の一日くらい晴れて欲しいところだが・・・。

 

 まあ、あまり期待をしすぎてもしょうがないのだが、やはり昨年ごっそりと採ったから、夢よもう一度で、柳の下の泥鰌を狙いたくなるのだ。まあ、無ければ今年のキノコ採取はお終い。低調なキノコ採りのシーズンだったという事になりますな。何とか晴れ間を見つけて首尾良くナメコやヒラタケをゲットして優秀の美と行きたいものです。

いい音の定義

 この間ミーさんが○桐さんの所へお邪魔してオーディオ装置の音を聴かせて貰ったらしい。中々いい音で、あれだったらもうちょっとその辺では聴けないくらい良いとの事。さもありなん。○桐さんもここの所随分一所懸命にやっておられるし、耳も肥えてきた。良くなるのは当然だろう。

 

 しかし、ここですかんぴんは思うのですよ。一体良い音の定義とは何だろうって?音は目に見えないし、今聴いた音は一瞬で過去の物となって行く。写真のように映像としてそのままそこに存在しないから厄介だ。

 

 生演奏に出来るだけ近い物か? いや、生演奏と行ってもジャズのライヴなどではそれなりにPAも使われているから、果たして生で聴いているのかどうかは判断が難しい。クラシックのコンサートで有っても聴く位置で随分と変わった物になっているはずだ。だから生演奏その物の定義も怪しくなってくる。強いて言えば少ない楽器数でPAを一切使わず、ある程度近くで聴いた場合にしか生演奏と呼べないのではないかという気がしてくる。

 

 こう考えると生演奏の音に出来るだけ近づけると言うのは必ずしも悪い事ではないが、それに拘りすぎる事は無いと考える。寧ろ生演奏の雰囲気を出してくれさえすればいいのではないか? それも良い音の定義の一つだと思う。

 

 無論理論的に言えば周波数レンジが広く、音に歪みが無い事、ダイナミックレンジが広い事が上げられるだろうが、どうも音楽を聴くという観点に置いてはそればかりでは駄目のように思う。幾らそれらの値が良くても肝心の音楽が聞こえてこないようでは困る。まあ、音楽を上手く再生すると言うのも極めて曖昧な表現なのだが、現実としてそう感じる事があるのでしょうがない。

 

 音が良いと言う定義の裏付けとして、様々な要素を上げ、それらをある程度数値化出来るので有ればいいのだが、音の捉え方は人様々であるから中々難しい。まあ、百人も聴く人を集め、採点用紙を配り、それらの要素それぞれに点数を付けて貰って、総合点で判断するしかないが、現実にそんな事をするのは不可能だ。

 

 ただ聴いた多くの人が「良い音だ」と判断すれば案外正しいのかも知れない。まあ、オーディオは個人の趣味だから、自分さえ気に入っていればいいのだが、独善に陥っている危険性もある。(笑)だから仲間と交流する事もある程度必要になってくる訳だ。

 

 だがこの「交流する」というのも中々曲者だ。毒を浴びせられる危険性がある。(笑)で、大体お金お使う方向に行くのよね。こうなると女房殿に隠し事が多くなる。(笑)まあ、でも本人が満足すればそれでもいいんだけど、大体はそれで収まらない。いい音になったはずなのに、またもっといい音を求める羽目になる事が多い。

 

 これじゃ「幸福の青い鳥」を探すが如く、良い音は決して手の届かぬ所に有るのではないかとさえ疑ってしまう。こうして考えると下手に装置を良くしたが故に見果てぬ夢を追いかけてしまいかねない。音楽を純粋に楽しむんだったら、装置なんてどうでもいいんだけどなあ。

 

 だけど現実は私みたいなオーディオ馬鹿も少なからず存在しているし、またその馬鹿に屯(たむろ)する輩もいる。皆「良い音」を求めたいが故に集まってくるのだ。弱ったねえ。(笑)本当に良い音の定義は難しい。昨日まで聴いていて良かったはずの音が、翌日にはつまらない音に聞こえる事もあるし、その逆もある。こちらの体調や気分にも依るところも否定出来ない。

 

 更には装置を替えて良くなったと勘違いする御仁もおられる。これなんか装置をグレードアップさせたんだから、当然音が良くなっているはずだと自分で思い込みたいのかも知れない。まあ、こうなると哀れですな。とにかく音楽マニア、オーディオマニアは少しでも「良い音」をと求め続けるが、案外良い音とは自分がその歌なり演奏を聴いて「ああ、良かったなあ」と思える時なのかも知れません。ちょっと良い音の定義から外れているかも知れませんがね。

フレンチブルドッグや~い

 は~い、今日は閑だからブログ二連発だよ~ん。

えー、小生はまたまた「犬飼いたい病」の症状が出て、無性に犬が欲しくて堪らないのですよ。一時は諦めたんだけど、ひょんな時にまた飼いたいな~と虫が疼くのです。(笑)それもフレンチブルドッグの白と言うかクリーム色の毛の奴。特に子犬だったらもうメチャクチャかわゆくて、それこそ目の中に入れても痛くないくらい。(笑)

 

 でも前にも一度飼おうかなと思った事は有ったんだけど、自分が面倒くさがり屋だし、家にいない事も有るから、飼われたワンちゃんが可哀想だと思い、断念した経緯がある。ああ、それと確か値段がべらぼうに高かったような覚えが有るから、むしろそれが断念した原因だったかも知れない。(覚えちゃいないのかい?)

 

 え、何でフレンチブルドッグなんだって? そりゃあ決まってるでしょ、アアタ。ブサカワイイあの容姿。おめめがくりっとして、短い足でちょこちょこ歩き回る。余り吠えない。イタズラ好き。時折首を傾げる仕草。う~ん、もうどれを取ってもかわゆいですぅ~。(アホ!)

 

 最近は猫を飼う家の方が犬を飼う世帯より増えたらしいが、オイラは何たってお犬様です。だって喜怒哀楽がハッキリしてるし、なついてくるから、やっぱりワンちゃんだよ~ん。でも自分で制御出来ない大型犬は嫌だな。やっぱり愛くるしいフレンチブルドッグが最高だべ。あ~ん、欲しいよ~。

 

 んで我慢出来なくなってネットで一体幾ら位するのか調べてみた。するとな、何と30~70万円くらいするではないか。ガビ~ン! そ、そんなにするの? えー、それはないべ。飼い方拙くて死んじゃったら70万パーだべ。(アホ、殺すなよ)

 

 う~ん、前回断念した理由はやはりこれだったのか。そしてもう一つ。オーディオ機器をぶっ壊されてもワンちゃんには文句は言えんという事だったっけ。家の中で犬を飼う事とオーディオは両立しないと思って止めたみたいだな。思い出しちゃったよ。

 

 購入経費が掛かる上に餌代、医者の診察代、その他着せる物、その他諸々経費がかかるなあ。オーディオよりお金が必要だよ、こりゃあ。(アホ、だったら飼うな)でもなー、やっぱり可愛いんだよ、フレンチブルドッグ。(しつこいね、アンタも)

 

 と言う訳で小生の心は今千々に乱れているのであります。しょうがないからYou Tubeでフレブル様の動画を見て今のところ何とか飼いたくなる気持ちを抑えています。そしてワンちゃんの縫いぐるみを見て我慢、我慢と心に言い聞かせています。(涙ぐまし努力だね)あ~、フレンチブルドッグや~い。

 

本物を飼えないから、こんなので我慢しています。(涙) え、フレンチブルドッグじゃないじゃんって? いいんです。そんなの買えば益々本物が欲しくなっちゃうでしょ。

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今年最後の紅葉狩り

 余りに朝からお天気が良いので家にじっとしているのはアホらしいから最後の紅葉狩りに行く事にした。とは言え午後から宅配便が来る事になっているので、余り遠くには行けない。そこで頸城の「大池」に行く事にした。

 

 大池と名が付く池はそれこそそこら中にあるが、ここはかなり広い。文字通りの大池だ。江戸時代に農業の灌漑用に作られた池らしい。保倉川から水を引いてるそうな。

 

 さて車を飛ばしたらあっという間に着いた。青空と紅葉が水面に映えてさぞかし綺麗だろうと思ったら何じゃこりゃあ。水がすっかり干されているではないか。え、どういう事? あとで大池ビジターセンターの管理人さんに訊いたら補修を行うため、農閑期の今、水を干したのだそうな。

 

 あれますっかり当てが外れてしまった。ま、しょうがないか。お天気はいいんだし、もう紅葉は終わり掛かってはいるけれど、何とか楽しめるでしょう。水の無い池もおつなもんです。(まーた無理しちゃって)

 

大池の向かいにある小池はまだ水を抜かれてませんでした。カモちゃんが浮かんでます。

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あらま、すっかり抜かれちゃってるよ~ん。

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しょうがないから近くのキャンプ場に行きます。

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キャンプ場の周りも水はアリマシェーン。

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まあ、でも少しは紅葉が楽しめます。

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おんや、何だあ、このキノコは?

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葉っぱが落ちちゃってる木も有るけど、まだそれなりに楽しめますよ。何せ

お天気がいいから。f:id:wasakoki7778:20211117103542j:plain

 

水の無い所にいつまでもいたってしょうがありません。ビジターセンターの方へやって来ました、

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ビジターセンターの展望窓から水を抜かれた大池を眺めます。逆光写真ですがこれもまた味が有りますね。

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橋の方から今度は池の上手を望みます。先はほとんど水が残っていません。

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この木造の橋は中々風情があります。

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まだ黄色い葉っぱは大丈夫ですよ~。

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遊歩道はあちこちにありますので、今日は今まで行ってなかった所へ行きます。

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 結構歩き回って疲れました。もうちょっと早く訪れたらと言う所ですが、なに暇潰しだからいいんです。帰りの道路沿いから見る米山が余りに綺麗だったので思わずパチリです。えー、これ来年のカレンダーに使おうかな。だってネタが無いもん。

 

う~ん、米山の上に浮かんでいる雲がいいですな。まさしく小春日和の一日でした。

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 来週は寒くなりそうだから、これで紅葉見物もお仕舞いでしょう。のんびり自然を楽しめた半日でした。

民話

 亡きオヤジ殿のお袋は昔話を一杯知っている人だった。毎晩のようにオヤジと直ぐその上の兄に話して聞かせたらしい。その兄は戦死したので、お袋の話を知っているのはオヤジ殿だけになってしまった。他の姉弟はお袋に余り話を聞かなかったらしい。

 

 昔話は私は大層好きで、子供の頃はラジオから流れる「越後の民話」に聞き入っていた。確かオープニングに流れる曲はドップラーの「ハンガリー田園協奏曲」だったと思う。尤もその頃はそんなクラシックの曲とはつゆ知らず、えらく番組の雰囲気に合った曲だなと思っていた。

 

 「とんと昔があったとさ」とか「あったてんがな」で始まる独特の方言混じりの話は子供心を甚く揺すった物で有る。しかし悲しいかな。そのラジオは電波の入りが悪く、時々ガー、スー、ピーと雑音を出し、何を言ってるのか分からなくなった。漸く聞こえたと思ったら、もう終わりの頃で結局話の筋がほとんど分からなかった事が何度も有った。(笑)

 

 で、面白くないからオヤジ殿に話をせがむのであった。とは言え、オヤジ殿は仕事で疲れているし、滅多に話を聞かせてくれる事は無かった。それでも小さい時は結構聴かせて貰った覚えがある。「牛方と山姥」「古屋の漏り」などは今でも鮮明に記憶に残っている。そして私が成人してからも幾つか思い出して語って貰った話があるが、それは以前このブログで書いた事が有る。

 

 しかしオヤジ殿やそのお袋は何でそんなに沢山話を知っていたかというと、語る人が村から村を回って来るのだという。当時は娯楽が少なかったし、ラジオがある家なんて滅多に無いから、色んな所の情報を教えてくれたり、昔話をしてして楽しませてくれる人に宿を提供したり、幾ばくかのお金を払って聴かせて貰っていたのである。

 

 語り部とも言おうか。彼は各地を放浪し、色んな話を仕入れてきてはそれをまた村の人々に提供して糊口を凌いでいたのだろう。まあ、今ではとても考えられない話だが。でもお陰で昔話は確実に伝承され、水沢謙一氏などの手によって活字となった。私は氏の本の大ファンで、オヤジ殿から聞かされた話を思い出しながら、暇に任せて読んでいる。

 

 以前も書いたが民話という奴はやはり方言混じりで無いと味が無い。「日本昔話」みたいにほぼ標準語で語られたのでは、子供にはわかりやすいだろうが味も素っ気も無い。尤もこの番組は全国放送だったから無理も無いが。そしてアニメで表現されない所がいいのだ。映像で話を見せたら艶消しだ。聞く子供らが勝手に山姥とはこんなかなと想像するからいいのである。だから昔話はあくまで話して聞かせるものなのである。

 

 昔話を聞いていて面白いのはその方言や擬態語、擬声語などが実に豊富に使われている事だ。「向こうの方に灯りがチャカンチャカンと照ってるのが見えるてあんだ」「そうしてその姉さがヤガヤガと奥の方から何か持ってきたと」とか実に多彩だ。そして時には残酷であったり、話が矛盾したりするが、なに、想像の世界だからそれで良いので有る。

 

 オヤジ殿から聞いたり本を読んだりしたお陰で私も結構昔話が出来る。嘗て家庭教師をしていた時など授業が終わってから良く話をしてあげた物で有る。今でも彼らの頭の片隅にでも残っていたら嬉しい。

 

 雪深い越後の里なればこそ昔話が近年まで残っていたのであろう。今でもたまに公共の施設で話される催しがあるのは有難いが、残念ながら話し手がイマイチ稚拙なのが残念だ。案外親から直接話を聞いていないのかも知れない。(笑)

 

 ともあれ、まだ私の聞いた事の無い話が有ったら是非聞いてみたいものだと思っている。はい、「これでイッキガぽーんとさけた」。

 

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