今や何でもアナログからデジタルに置き換わった感があるが、事オーディオに関しては大勢はデジタルかも知れないが、果たしてアナログ・プレイヤーがCDプレイヤーに置き換わっただけでデジタル化と言えるか? 本当ならアンプもデジタル化して(まあ、デジタルアンプは出ているが)CDプレイヤーからそのままデジタル信号をスピーカーの所に来るまで持ってきて、最終的にD/コンバーターでアナログ変換し、スピーカーから音を出すようにしなければデジタル化とは言えないだろう。
だがそれはともかく実際聞いてみると明らかには高級オーディオの場合、アナログプレイヤー再生の方がCDプレイヤー再生より良く聞こえるのは明らかだ。まあ、これはそもそも最初にCDの規格を決めたときにサンプリング周波数を44.1khz、ビット数を16と決めたのが間違いではなかったのかと思う。
と言うのはその後にCDの音を良くしようとDVDオーディオだのスーパーCDだのなんだのと色々出て来ているからである。もう少しサンプリング周波数もビット数も増やしておけば良かったと思っても後の祭りである。これだけCDが普及するとおいそれと規格を変えられまい。ここにアナログ・オーディオが未だに幅を利かす理由がある。
その点カメラは完全と言っていい程デジタルにシフトした。まあ、まだフィルム・カメラを使っている人もいるにはいるが、そちらの方が優れていると言うより面白い味が出せる事がある程度で、それのみを使っている方はあまり居られないだろう。そもそも写真はカメラ本体もさることながらレンズの性能の方がどちらかと言うと重要視される事があるからだ。
まあカメラに詳しくない私がこんな事を言うのはおこがましいが、解像度などはもう文句なしにデジタルに軍配が上がるし、撮影枚数、更に摂った後直ぐに画像を確認出来るし、直ぐに転送できることなどからも便利だ。大体私みたいな貧乏人はフィルムを買わなくて済むし、現像代も掛からないから有難い事この上ない。(笑)
恐らくデジタルカメラで無かったら、私は頻繁に写真を撮る事は無かったし、腕も上がらなかっただろう。そしてデジタル化が進まなければスマホや携帯にカメラが搭載される事は無かったはずだ。
ところで何故こんなにカメラはデジタル化が進んだのかというと性能の進歩に有ると思う。つまりカシオが普及機を発売した頃は画素数は高々30万画素程度であったから、お世辞にもデジタルの方が優れているとは言えなかった。所が今や画素数は2,000万画素にもなり、フィルムカメラでは到底再現できないところまで撮してくれる。無論画素数ばかりを言うつもりは無いが、性能において大きく水をあけている事は間違いないだろう。
写真表現でもでデジタルのそれがアナログのそれに負けているとは思えないが、ともかくオーディオと違ってカメラはハッキリ勝負が付いたのではないかと思えてくる。これは先ほど言ったようにどんどん規格を変え、進歩させたからである。一方オーディオの方はCDの規格を簡単に変えられないため、大幅な音質向上が見込めない。どうもその辺りに問題が有りそうだ。
つまりはカメラは自分で撮って作品を作るのだし、オーディオは出来た作品(CD)を聴かねばならないから、規格を変更しにくいのだろう。でもねえ、もうCDが出てから凡そ40年。そろそろ新しい規格や方式を考えても宜しいのじゃございませんか?