もう20年近く前になろうか、当時地元FM局の営業部長だったマーさんから依頼を受けてジャズ番組を作っていた事がある。スポンサーは鉄工所を経営していたジャズ仲間の○中さんや自動車修理工場をやっていた○辺さん。毎週確か夜の9時頃からやっていたんじゃないかと記憶している。結構何年間も続けたから我ながら大した物だと思う。飽きっぽい私だが、こう見えても責任感は強いので、直ぐに投げ出すような事はしたくなかったのである。
もうかなり内容は忘れてしまったが、週ごとにテーマを決めてやっていたように思う。
第1週は「これを聞け！私の一枚」というタイトルでジャズファンの方の所にお邪魔してご推薦のレコードをかけて戴くという趣向。しかしこの企画はかなり頑張ったのだが、やがて出演してくれる方がいなくなり、止む無く中止せざるを得なくなった。その方が何でジャズを好きになったかとか、好きなミュージシャンは誰かなどと色々インタビュー出来て面白かったんだけどねえ。やはりこんな小さな市では直ぐに行き詰まりますな。（笑）
第2週は特定のジャズミュージシャン特集で例えばマイルス・デイビスとかアート・ペッパーなど様々なジャズメンを取り上げた。
第3週は「ジャズ名曲聞き比べA to Z」と言うもの。ジャズはアドリブが命だから同じ曲でも随分演奏が違う。そこの所がジャズの醍醐味だから、スタンダード曲を中心に取り上げてやった。これは後にこの番組に引き続いて作った「ぴっからビンテージジャズ」という番組でもやった。尤もこれは昔NHKの「ゴールデン・ジャズ・フラッシュ」と言う番組で本多俊夫氏がやっていたののパクリだが。（笑）でも正直これが結構大変だった。まずその曲が入っているアルバムを片っ端から思い出して、私の持っているレコードから探す。そしてその中から更に何曲か有名な奴を厳選してと言うより私の好みだが、それを選ぶ。この思い出すのが中々大変だった。パソコンでレコードのデータベースなんぞ作っちゃいないから、ひたすら記憶に頼るのみ。まあ脳軟化症の始まっている今じゃとても無理。（笑）
えーと第4週は何だったベかな。ほーら脳軟化症だから思い出せない。あ。そうそう、確か何か特別にテーマを決めてやったんだっけ。例えば「食べ物に関する曲」みたいな奴。この場合は「Cheesecake」とか「Black Coffee」なんかを取り上げる。それもなるべく有名な奴。これも毎回変えているので結構大変だった。
以上凝りに凝って作っていたため、正直時間は獲られるわ、頭は使うわで息切れしてしまった。そこで上記の後継番組に移って行くのだが･･･。そのころ放送した分はマーさんがMDに記録して置いてくれて全部とってある。だがそれらを今聴くとヘッタクソだなあと熟々思う。話し方が固くてこれじゃリスナーがリラックスして聴けませんよ、全く。それにアタシャホントに声が悪い。幾ら内容が良くたってやはりラジオ番組は声ですがな、アアタ。私の知性と教養がこの声の悪さで台無しになってしまう。（何が知性と教養だ）正直初めて自分の声を聞いた時は自己嫌悪に陥ったね、アタシャ。
まあ、それでも随分マニアックな番組を作ったなと我ながら感心している。聴取者の皆さんには拙いしゃべりで大分ご迷惑をおかけしたが、決して内容は悪くなかったと今でも自負がある。
締め切りに間に合いそうもなくて、仕事そっちのけで作ったり、眠い目をこすりながら真夜中必死に作っていたのを思い出す。エー、これ全てボランティアなんでありますよ。局はスポンサー収入が有るのにねえ。ピッカラのケチ！（これ、なんと言う事を言う――byマーさん）
あー、そういう訳で今では懐かしい思い出です。ではその頃を思い出して何か掛けましょう。ベン・ウェブスターで「恋人よ我に帰れ」
