本日は2本立てになっております。くれぐれもよろしくお願い申し上げます。(笑)
エー、皆さんヴォーカルには拘りが有ると見えまして、色んな方がお声を寄せてくれました。感謝申し上げます。ところでアンタがダイアナ・クラールが好きで無いのは分かったけど、じゃあ、どう言う歌手がお好みなんだと仰るでしょう。で、またその2として本日お届けします。
やっぱりアタシャジャズが好きだから、まず第一にビリー・ホリデイだね、やっぱり。こりゃあもう別格ですよ、アアタ。まあ、御三家(サラ・ヴォーン、エラ・フィッツジェラルド、カーメン・マクレエ)と比べて歌の上手さを言われると困るけど、自由自在な歌い回し、大胆な歌の解釈、ジャズに大事なインプロビゼーション(アドリブ)、これらの要素を遺憾なく発揮しているのがビリーだと思う。
え、あんなもっちゃりとした歌い方の何処がいいのかって? あんなの聴いていたらかったるくて眠くなってしまうとな。ふふふ、お主ら若いな。まだまだそれでは修行が足らん。そもそもアルバム「Lady in Satin」なんぞを聴いてビリー・ホリデイが分かったような顔をされちゃ困るとですよ、フントに。
晩年の衰えたビリーを聴いてどうする? それよりも全盛期のOK、Vocalion、Braunswickなどの時代のレコードを聴くべきです。まあ、でもこれを言っても大抵の人はこれの何処がいいのかって思っちゃうだろうけどね。(涙)
ま、他人に私の好みを押しつけちゃあきまへんな。後、私の好きな歌手は前記御三家とニーナ・シモン、アーネスティン、アンダーソン、白人系ではミルドレッド・ベイリー、リー・ワイリー、ペギー・リー、ダイナ・ショア、クリス・コナー、ドリス・デイと言った辺りです。男性歌手も好きですよ。まずは当然サッチモ(ルイ・アームストロング)です。後、ナット・キング・コール、フランク・シナトラなどですが、本来は歌手でない人が歌っているのも結構好きなんです。例えばオスカー・ピーターソン、ジャック・ティー・ガーデンなどなど。
エー、アタシャ、ヴォーカルだけで何百枚もレコード有りますけど、結局頻繁にターン・テーブルの上に乗るのは上記のような方達なんですな。まあ、これを見ても私が古くさいジジイだと言うことがお分かりでしょう。(笑)
話よりも聴いて貰った方が分かりやすいですね。まずはビリーの比較的分かりやすい歌から、「明るい表通りで」とニュー・オーリンズのバンドから「セント・ジェームス病院」
どうです、この元のメロディーを大胆に崩していながらも強烈にスイングする歌いっぷりは。誰でもがウキウキして来ます。聴けば聴く程どんどん深刻になってくる「Lady in Satin」のなかの「I'm a Fool to Want You」ばっかり聴いていたんじゃあきまへんよ。
尚、これはコモドア原盤のSP録音ですね。バックで弾いていたピアニストはエディ・ヘイウッドでした。
誰名義のバンドかは分かりませんが、恐らくはトロンボーンのルイ・ネルソン名義かクラリネットのジョージ・ルイスかと思います。
最初ジョージ・ルイスのクラリネット・ソロに始まり、次いでルイ・ネルソン、そしてトランペットのパンチ・ミラーと繋いで行きますが、ミラーがソロを取るところでドラムスのジョー・ワトキンスがお手つきをしてしまい、歌い出すのはご愛嬌ですが、彼の声はとてもいいですねえ。アタシャ本当はこう言うヴォーカルが大好きなんです。
何処ぞの日本人演歌歌手が「アタシ、ジャズも歌えるのよ」ってヘッタクソな歌を聞かせているのとは訳が違います。
それにしても力強い演奏です。ジャズ・スピリットもたっぷり入ってます。ジャズは何もモダン・ジャズばかりではありません。こねくり回した訳の分からないジャズよりはこちらの方がずっと心に沁みます。尚、ベースはパパ・ジョン・ジョセフ、バンジョーはエマニュエル・セイレスでした。
エー、何だかディスク・ジョッキーみたいになってしまいましたが、私の好みがお分かり戴けたことと思います。ほんじゃまたそのうちに。