すかんぴんのブログ「今日もヒマだぁ~」

暇を持て余して、お山、お絵かき、蕎麦打ち、山菜採り、キノコ採り、音楽鑑賞、オーディオ、パソコンと、あれこれ手を出し、もがいているジジイのページです。

おせち料理(長いよ〜ん)

 毎年今時分になると亡くなった母がおせち料理を作っていた事を思い出す。子供の時分はガツガツしていたから、母の目を盗んではつまみ食いをして本番の正月頃にはかなりの量が無くなっていて、また作り直さなければならず、良く怒られたものだ。

 母が亡くなってからは当然不器用の権化たる私がおせち料理なんて作る訳が無いし、また作れない。当然の如くスーパーのお世話になる訳で有ります。お金さえ出せばスーパーではおせち料理でもオードブルでも、それこそ正月料理は何でも手に入る。で、父が存命中は当然おせち料理を並べたが、独りになってからは食べ手が私しかいないから、購入量はぐんと減った。

 それでも年始に友達や知り合いが来るとまさか無しでもいられないから、ある程度用意はして置いた。だがこれを狙って厚かましくも自分の所で正月を過ごさずに我が家へ押しかけてきて、そのままそこに居座ろうなんて図々しい奴がいたのには閉口した。まあ普通の客ならどうってことないんだけど。こやつの場合は特別製でして正月にも拘わらず我が家で幾晩も泊まって行こうと言う常識知らずと言おうか、恥知らずと言おうかとんでもない奴で有ったのです。

 まあ、そこでこちらも対策を立てましたよ。要するに正月に家にいなけりゃいいんですな。まあ。お客が無かった正月などはおせち料理が大量に余り、後で消費するのが容易でない。まごまごしてると料理そのものが駄目になって勿体ない。だから正月料理はお客様用は用意しないで自分用だけとして正月二日からは何処かにトンズラしてしまおうと考えた訳で有ります。

 まあ、本人が留守ならお客様が来ても無駄なんで有りまして、これは前述の厚かま君対策にも丁度良かったのですよ。こうして私は正月二日は十日町のロードレースに出るとか、スキーに行くとかして行方をくらましていたんでげすな。

 ところが敵も然る者、引っ掻く者で有りまして次のような作戦を考えたんで有りますな。

 「すかんぴんさん、正月二日はまた十日町へ走りに行くんだろう?だったらその後で僕のうちへ遊びに来ないか?」
 「え、正月早々かい?兄弟や親戚の人が来てるでしょ。悪いから行かないよ。」
こう見えても私は立派な常識人なのである。
 「いいや、構わないよ。おいでよ。色々話したい事もあるし、ゆっくりして行きなよ。」
としつこく誘われるものだから無下に断るのも何だし、今迄はこちらが正月は面倒見ていたし、たまにはこちらが正月料理にありつくかと思い、誘いに乗った。

 で、ロードレース終了後彼の家へ向かう。まあ正月だから一応年始はちゃんと持って行った。エー、断っておきますが、彼が我が家に正月来る時は年始などと言うのは持ってきた試しがありません。重ねて言いますが、私はジョーシキ人だからちゃんと持って行くのでありますよ。

 でもね、彼の家へ入ると果たせるかな家の人から
 「まあー、正月早々遊びに来るの、この人は?」
ってな目で見られました。ほーら見い、だから言わんこっちゃない。これで年始でも持って行かなけりゃ、どう言う事になっていたか。

 で彼の部屋でコーヒーを飲んで少し話をした後で
 「すかんぴんさんの所へ行かない?」
え、冗談だろう?さっき来たばかりだぜ。
 「姉や義兄、その子供達がいてうるさいから、そのほうがいいよ」
と勝手に決めて早支度をし始めている。オイオイ、こんなのって有るかい?自分で正月に遊びに来いっておきながら、俺んちへまた押しかけとようとは。

 結局押し切られて我が家へUターン。エー、アタシャ何しにここんちへ来たんでしょうか?(涙)ハイ、我が家へは当然御年始無しです。で、ロードレースから帰ってきたらゆっくり食べようと思っていたおせち料理をしっかり食べられてしまいました。おせち料理の苦い思い出です。ちなみにその晩彼は泊まって行き、次の日もしっかり居座り続け、我が家の正月料理を平らげたのでありました。それにしても私ってお人好しですなあ。