高校の時の同級生から息子さんに我が家のオーディオを聞かせてやって欲しいと依頼された。聞けばギターをやっているとの事。何でもちょっと変わった子なので私とはきっとウマが合うだろうと言う。どう言う意味じゃ？
さて件の彼氏、手土産持参でやって来た。エライ！ 今時の若い人にしては良く気がついた。まあ母親の入れ知恵もあるでしょうけど、手ぶらで来ないってのがいいよね。（こらあ、手土産ばっかり期待するんじゃない！）で、彼氏、我が家のオーディオ装置を見て「ヤバイっすねえ！」やっぱり今の人だね。（笑）
ギターをやっているとの事だからまずＣＤでスーパー・ギター・トリオの「Friday Night in San Fransisco」を掛ける。すると「ヤバイっすねえ！」の連発。その後はＬＰでジャズを掛けるといたく気に入ったようだ。では折角だからモノラルレコードも聴いてみますかとスピーカーをWesternに変えて聴かせると「ヤバすぎます！」
まあ何でもヤバイで済ますのはちょっと抵抗があるけど、音の善し悪しや音楽の善し悪しは良く理解しているようなので、聴かせるこちら側としては張り合いがある。話を聞くと将来はお店を持っていい音楽とコーヒーを提供したいとの事。うーん、そうかあ。若いけどしっかりした夢を持っているなあと感心した。彼の話では東京でこんな凄い音で聴かせる事が出来たら幾らでもお客を呼べますよとの事。まあでもここは田舎だから関係ない。（笑）
「こんな凄い音初めて聴きました」
「あ、そう？ でも私はまだ相撲で言えばふんどし担ぎ。世の中にはもっともっとビョーキの困った人がいるんだよ、アハハ」
そう私が言った物だから彼は少々面食らっておりました。
でも彼がちゃんとオーディオという物に興味を持ってくれて嬉しい。今は軽薄短小の時代で私たちみたいな大掛かりな装置で音楽を聴くのが馬鹿みたいな事になっているけど、彼は決してそれは間違ってないと言い切る。まあ彼の母親がちょっと変わった子と言ったのは案外こんな所かも？
でもそれは変わっているんじゃなくて至極まともだと私は思うけどなあ。要するに今の時代の音楽やオーディオが変な方向に行っちゃったてことですよ。結局4時間程楽しんで貰った。最後に彼の好きなカーペンターズの曲を掛けたが大いに満足したようだ。彼はまたコーヒーにも拘りがあるようだったが、その話は時間切れで無し。また次回にその蘊蓄を聞かせて貰いましょう。
最近の若い人は余り物事に執着する事が無くなったが、久し振りに拘る人に出会えて私も楽しかった。拘り人間大好き！
