オーディオ仲間のKさんからアンプを直したので聴きに来ないかと連休前に連絡があったので、久々に訪れる事にした。お家に着くと辺りに大分家が増え、随分と変わったのに驚いた。Kさん宅を訪れるのは何年ぶりになろうか。ひょっとしてもう10年は経つかも知れない。
当時はヴァイタボックスのバスビンを持っておられるという事で期待して出かけたものだが、ウーファーに制動を掛けて余り鳴らさないようにしていたので。イマイチ本領を発揮していなかったのが残念だ。今回はその事を窺ったら、もうウーファーの制動は外してそのウーファーも38cmフルレンジに替えてあるとの事。何でウーファーからフルレンジに替えたのかは分からないが恐らく聞き比べての判断だろう。
劇場用スピーカーだけに相変わらず度肝を抜く大きさだ。部屋の高さはあるし、床面積も30畳はあろうか。羨ましいリスニング環境である。
ロンドン・ウェスタンの38cmフルレンジを片チャン2発入れてある。これは予備。
側面
バスビンはアルテックで言えばA4に当たるスピーカーだが、ご覧のようにシャラーホーンを採用している。ドライバーホーンはマルチセルラで15セル。トゥイターはカンノ製のウェスタン597のレプリカ2本を取り付けている。なおウーファーホーン前のホーンは面白い形であるが現在使用していない。
ユニークな形のホーンだが今はただの飾り。
ウーファー、ドライバー、トゥイター、全てダブルである。
最初にCDで美空ひばりや森山良子を聴かせていただいたが,音は綺麗だしS/N比はいいのだが、どうにも高い方がキンキンして、おまけに音が冷たく聞こえる。やはりCDですな。そこで折角EMTの927が有るのだからLPの方で『シェラザード』を掛けて貰った。そうしたら落ち着いて柔らかい音になった。私の好みとしてはやはりこちらである。だがこれだけのスピーカーを使っている割りには力感に乏しく音も何となく散漫に聞こえる。音の躍動感も乏しい。ウーファーの制動を外したので期待していたのだ
が、些か残念だった。ただやはりスケール感は出る。
盤を色々替えて聴いたが最後の『幻想交響曲』が一番良かった。アンプが暖まってきたのか、漸く音に締まりが出て、低音も伸び、力感も少し出て来たようだ。ただこれだけのスピーカーを使っていながらこの程度ではまだ充分に鳴らし切っていない。この程度の音ならばこんなスピーカーを使う必要は無い。まだまだ調整が必要だろう。私がくたばる迄に私を驚かすような音に仕上げてくださいとお願いしてきました。(笑)
アナログ・プレイヤーはEMTの927st。最高のプレイヤーを使っているのだから、もう少し音に力感が出てもいいはずだが・・・。とにかく普段はCDを聴いていると言うからそれでは駄目だと言っておきました。機械というのは使ってやらなければ駄々をこねて調子が悪くなるんです、ハイ。(笑)
対面にはヴァイタボックスのCN-191も有りましたが現在は使われておりません。ああ、勿体無や。
これは我が家の出入り業者ターさんが作ってくれたアンプ切り替え装置。下はスピーカーのネットワーク。
使用しているアンプは全て故伊藤喜多男氏作。これはWE300Bシングルアンプ。
こちらは300Bpp。出力は15w程度。
えーと、これは何処製の球か訊くのを忘れたべ。
少し手ぶれしました。すいません。 シーメンスの球を用いたシングルステレオアンプ。
スピーカーのネットワーク。中々豪華ですな。なおトゥイターはキャパシタで4000hz以下をカットしているとの事。
伊藤喜多男氏作のステレオプリアンプ。この他にもう1台有ります。
ドライバーもロンドン・ウェスタン製でダブル駆動です。
ジャズのレコードも聴かせて欲しかったが無いとの事。残念!(笑)ただ機械は素晴らしい物が入っていたが、残念ながら所蔵するレコードが甚だ少ない。装置にこれだけ金を掛けるなら、もう少しレコードに情熱を傾けても良いのでは無いか。自らが市の吹奏楽団でヴィオラを弾く身分であれば尚更だろう。多くのレコードを聴かなければ音楽に対する感性は身につかないのではないか。機械いじりもさることながらまずは音楽を楽しみたい。