私はフィールドスピーカーの音が好きだ。音の立ち上がりが早く、音が前に出て、しかもワンワンしない。つまり静かに聞こえるのである。きっかけは今は亡きN君が持ち込んだ20cmの何処製かも知れぬ修復だらけのフルレンジスピーカーである。ところがコイツが当時2階の8畳間で鳴らしていたのだが、アルテックのA7より掛けるレコードによっては上手く鳴るので有る。まあ、その件は以前書いたので割愛するが、その後ジェンセンのフィールドスピーカーM10を購入して益々私はフィールドスピーカーの虜になってしまった。
そして茨城のSさんのWesternのシステムを聴くに及んで益々傾倒し、モノラルシステムはやがてウーファー、ドライバーともフィールド型になってしまう。まあ、それで止めておけば今考えると良かったのかも知れないが(笑)、フーさんがWestern596トゥイターのレプリカを5組作るから良かったら注文する?と訊いたので一も二も無く「買う」と言ってしまった。
で、それは4年後に完成して現在私のシステムの一部になっている。そしてアルテックの1568アンプを買う時に一緒にイギリスのガウモント・キャリー社のドライバーを買うことになった。それは元々フーさんの友達が購入したものだったが磁石が割れて届いたとかでフーさんがフィールド型に改造して上げたものだ。
まあ折角トゥイターをフィールド型にしたのだからドライバーのフィールド型の音も聴いてみたいと思い購入したのだが、最初は全然鳴らなかった。これは失敗したかな?と思ったが、もう何十年も使っていなかった物と聞いていたので鳴らし込んでみようとそのまま使い続けた。
すると気のせいか、いやそうではない。段々と良くなって来るでは無いか。お?これはひょっとしてめっけ物かと使い続けていると、もう元の288ドライバーには戻れなくなっていた。とにかく音に落ち着きが出て静かに鳴るのだ。うむ、これはいい買い物をしたわいと甚く気に入ってしまった。
さてそうなると悪い奴がいる物でJBLの375ドライバーをフィールドにするともっといいよと焚き付ける奴がいる。(ハイ、またもフーさんです)然もありなん。敵は4インチ振動板。まして定評のある375。悪くなるはずがない。フーさんに言わせると375をフィールド化するとWesternの594ドライバーに近い音がするそうな。まあ594は高嶺の花でどうあがいても買えそうも無いので思いきって375をフィールド化して貰う。
かくして我が家のメインスピーカーはトゥイター、ドライバーともフィールド型になった。残すはウーファーのみ。もうここまで来たら毒を食らわば皿までです。はい、ウーファーもフィールド化計画が進行中です。フーさん、楽しみにしてるよー。
で、私の影響を受けたか、ミーさんもフィールド型が気に入ってしまい、拙宅のガウモント・キャリーを譲って欲しいとなったので、今はミーさん宅に輿入れしている。(笑)クラシック・ファンのミーさんとしてはこのガウモントの音はまさしくクラシックにぴったりなのだそうだ。
所で先日ヨーさんの所へ遊びに寄った時、オーディオ仲間のY崎さんが何とアルテック604Eをフィールド化した物を購入したそうな。Y崎さんと言えばタンノイのウェストミンスター・ロイヤルをお持ちの方である。それが対極にあるアルテックのスピーカーを、しかもフィールド型を何で購入したのか不思議だった。
ひょっとして我が家の毒が感染したか?(笑)だとしたら私も罪作りな奴ですな。(自分で感心するか、アホ!)ともかく私としてはフィールドスピーカーの愛好者が増えてくれれば嬉しい。まあ、精々Y崎さんが後悔しないことを祈ります。(笑)