Ｏ君がLINEで茸の写真を送ってきて、後で持って行くから鑑定してくれとの事。写真を見ると白いキノコが列をなして出ているではないか。まさに白い布を敷いたような状態。これは俗称「ヌノビキ」の異名を取るシロシメジではないか。撮った本人もそうではないかと相談してきた次第である。ともかく後で彼が持ってくるのを待った。
おお、列をなして出ているこのキノコはひょっとして･･･。
Ｏ君がやって来て、仕事が終わったので、見て貰いに来た。あ、てことはこのキノコ仕事の合間に採ってきたって事？ いかんなあ、キミ、仕事をサボってそんな事をするとは。給料貰える上にキノコ採りも出来ると？ なぬ、休憩時間に行ってきたと？ ホンマかいな。まあ、いいや。どれ件のキノコを拝見しようかの。
「あ、これは残念ながらハイイロシメジの様だね。ほら、傘が柄に垂生してるでしょ。シロシメジだともっと柄が傘に真っ直ぐに付いていて、こういう風にヒダが斜めに付かないんだ。と、さもいっぱしの鑑定家の様に解説する。しかも柄の根元が下ぶくれになっているし、多分ハイイロシメジだよ、うん。え、食べられないのかって？ ええと昔は食になっていたんだけど、最近の図鑑では中毒する人がいるから、要注意キノコ、もしくは毒キノコになっているようだよ。
以前オイラも採ってＨ先生に鑑定して貰ったんだけど、その時は可食と仰っていた。でも茹でこぼす時、凄く嫌な臭いが出るから、外でやった方がいいと言われたよ。で、その通りやって漬けたんだけど、漬けたのをすっかり忘れて、後で思い出して取り出した時には、カラカラにひからびてていて、結局捨てたのを覚えてるなあ。いずれにしてもどちらも苦みがあるから、茹でこぼして漬けるしかないよ。」
と説明した。Ｏ君はしょうがない、捨てる事にするかとの返事。まあ、確かにシロシメジは香り、歯ごたえ共いい、味の良いキノコだが、ウラベニホテイシメジ同様、苦みを取るためには漬けた方がいいと思うから、面倒臭いのよね。
キノコを鑑定する時は傘裏をしっかり見ないと駄目なんだよ、うん。（さも分かったような事を･･･）
まあ、今回みたいに採れれば、確かに惜しかったけど、そんなに悔しがる程のキノコではないと思うので、ガッカリする事はない。それにしてもナメコ専門業者のＯ君が最近は他のキノコにも着目するようになって、オイラに鑑定を依頼してくるので、こちらもいい加減な事は言えないし、勉強せざるを得なくなった。散々Ｏ君を焚き付けたけど、勉強するの面倒臭いから、元のナメコ専門に戻らない？
