さて明日は早いからそろそろ夕食の支度に取りかかるかと思っていたら、ピンポ〜ンとチャイムが鳴った。出てみるとＨ地区の町内会長さんＨさん。え？こんな時間に何の用かな？
「すかんぴんさんの町内のＯさんに聞いて来たんですが、凄いステレオをお持ちだとか・・・。」
（ああ、うちのオーディオ装置をちょっと聴きに来たのかな？）
「まあ、立ち話も何ですから、ちょっとお上がりになりませんか。」
夕食の支度をしなければならない時間だったが、まあそんなに長くはならないだろうと思って上がって戴いた。クラシックがお好きだと言うことで、「新世界」辺りを聴いてもらったが。その途中明日地鎮祭をやる方の家を建てる工務店の方が挨拶に見えた。で帰られた後、改めてもう1曲掛けようかと思っていたら、
「いや、今日はもう遅いので、またゆっくりした時に聴かせて戴いて・・・。実はこのコンサートはどうかなと思って持って来たんですが・・・・。」
見るとそれはコンサートのチラシだった。はは〜ん、このコンサートのチケットを買ってくれって事か。それならそうと最初からそう言ってくれればいいのに・・・。やれやれこの間のカラオケサークルのＴさんのＣＤと同じだな、こりゃあ。やっぱり中々ズバッとは切り出せないらしい。
しかし今度はオイラも二つ返事で買うって訳には行きませんよ。何せ今はそんなに懐が豊かではないんだから。買うんだったら12日までに買って欲しいとのこと。まあちょっと考えさせて欲しいと返事して送り出しました。前売り券で4500円。トリニダード･トバコのラテンオーケストラバンドのようだ。ラテン音楽は決して嫌いではない。況してや同じ町内会長仲間。しかもＨさんは私が嘗て家庭教師をしたことのある生徒さんの叔父さんだから、因縁浅からぬ人だ。創価学会が母体の民音主催がちょいと気に入らぬが、まあ演奏する音楽とは何ら関係ないからね。純粋に音楽を楽しめば良い。前向きに検討しましょうなんて政府答弁みたいな台詞で応えておいた。
しかし懐が豊かでない時に限って、金が出て行くんだよね。考えてみれば今日買い物をした時金が足らないので、Ｕさんに借金したんだっけ。う〜ん、これはまた使わないオーディオ機器か何かをオークションでたたき売って、早急に金を作らねばならん。あーあ、嫌だねえ、ビンボーは。やっぱり62才になったら年金貰おうっと。でないとオイラ飢え死にするべ。（まーたそんなことばかり言って。飢え死にしそうだったらキノコでも食ってろ！）
考えてみれば熟々私はお人好しだと思う。今度私がジャズのコンサートのチケットを売りに行ったら、果たしてＨさんは買ってくれるだろうか？ま、多分ジャズは分からないから、とか何とか言って買ってくれないだろうな。買ってくれないだろうと思いながら、頼まれたチケットは買う。だから私はお人好しなのです。
