地区の町内会の会議が久々に行われた。会議は1時間ほどで終わり、お後は恒例の新年会。私は今年度は新参者だったが、1年近く経つと皆さんともすっかり顔馴染みになり、打ち解けてああだ、こうだと色んな話をし、楽しく飲む事が出来た。
さて帰ろうとすると、お隣の町内会会長のＴさんがタクシーを頼んであるので、一緒に行こうと言う。え、ど、何処へ？Ｔさんは大のカラオケ好きで、以前もちょくちょく誘われた事がある。私自身カラオケは嫌いでもないが、さりとてお世辞にもいい声とは言えないので、実は捕まらないようにしようと思っていたのだ。ところがどっこい。そうは問屋が卸しません。彼はもがく私を強引に捕まえて拉致に及ぶ。あ〜れ〜、ご、ご無体な！貴方は北朝鮮の工作員か？
強引に拉致をされてきた場所は近くのＩ食堂で有った。ここは初めてだが、中に入ると結構広い。厨房は立派だし、カラオケ装置も置いてある。うーん、食堂がカラオケ屋さんにもなるなんて。恐れ入りました。お店にはもう先客が二人いて、一人はＫさん、（うちの常連客のＫさんじゃないよ〜ん）もう一人はＴさんの奥さんだった。もうすっかり出来上がっていて、我々の到着を今や遅しと待っていたらしい。
もうこの時間帯は4名様の貸し切り状態。で早速カラオケショーの開幕。私以外の３にんは皆歌上手そう。でも開き直ったもんね。前川清、小林旭、八代亜紀などの歌を適当に歌う。半分酔っ払っているから、上手く歌えてるかどうかなんてわからない。そうしたら
「いや〜、良かったよ。これは是非とも2月21日のカラオケ大会に出て貰わねば。」とＫさんの怪しいお褒めの言葉。
えー、ここでちょっと説明すると、実はカラオケ愛好者のＴさん達が中心となって私の地区でカラオケ大会を開く計画がある。どうも今のところ参加者が少ないようなので、景気づけにこの際少々下手でもいいから、私に出て貰おうという魂胆らしい。この2次会の費用を払うと言っても、要らないからカラオケ大会をよろしくとの事。あちゃー、とんだ毒饅頭だった。まあ、でも町内会長同士でもあるし、Ｔさんとは私が仕事をしている時からの付き合いもある。おまけに奥さんは私が行きつけの理容院をやっていると来ている。どうにも断れない。でも今夜の拉致はこりゃあどう見ても計画的犯行だな。まんまとそれに嵌まった私はやっぱりお馬鹿？
