Yさんの所へ遊びに行っていたら、たまたまYさんのお店の評判(と言っても本業の時計の方ではなく、趣味のオーディオの方だが)を聞きつけて若いお客さんが訪れてきた。若いと言っても50歳を過ぎているのだが、私たちよりはずっと下の世代になる。なんでもアナログオーディオを始めようとしたら、その時は既にCDプレイヤーの移行が始まっていて、満足に機械を入手できなかったそうな。
我が国で最初のCDプレイヤーが発売された年は1982年だから、デジタル化が始まってからもう30年以上たつことになる。毎度言っていることで恐縮だが、それを境に音楽の衰退が始まったと言っても過言ではない。若い人たちの間で真剣に音楽と対峙して聞くと言うことがなくなった。まあどんな方法で聞こうと本人の自由だが、その真摯に音楽を聴くと言うことがなくなると同時に音楽の鑑賞能力も衰えていったことに若い方たちは気がつかない。話が別の方向にそれそうなので元に戻すが、とにかく若い方がアナログオーディオの素晴らしさに気づいていてくれたことは嬉しい。こういう人とは音楽の話が出来る。(断っておくが音の話ではなく、音楽の話で有る)
LPが好きな方は例外なく音楽も好きと言って良い。オーディオマニアの方の中には、ともすると音楽を聴くと言うより、機械を構っている方が好きな方が少なからずいる。本当のオーディオフリークは好きな音楽を聴くために機械をあれこれ構うと思うのだが、音が変わったと言っては喜んでいるオーディオバカの方もいる。音が変わったのを音が良くなったと勘違いしているので有る。
ともあれ音楽の話が出来る若いオーディオファンが一人でも増えることは嬉しいことで有る。願わくば飽きずにこの道を進んでいって欲しい。そしてLPと言う遺産がいかに素晴らしいものか、より若い世代の方に伝えていって欲しいものだ。なにせこちらはもうそんなに先が無いもので。(笑)