昨日もそうだったが天気予報は晴れとなっていてもお山の天気は分からない。朝は良くても日中ガスがかかることが多い。したがって朝が写真を撮る時の勝負時となる。その為にも山荘に宿泊するのだ。朝食を5時に済ませ、山荘前の展望台にご来光を拝まんとして出る。しかし雲の中に太陽が隠れていて、もう水平線から出ているのに、中々その姿はお目に掛かれない。漸くご来光を拝んだ時は、周囲を赤く染める太陽光線では無く、日中の太陽光線で有った。朝焼けの鹿島槍ヶ岳を撮りたかったが、そうこちらの注文通りには行かない様だ。
漸くお天道様が雲の中から現れた。
朝日を浴びる鹿島槍ヶ岳の大岩壁。
私は本日何処まで行けるか不安なので、Nさんに先に行って貰って、私はテント場か、布引岳辺りで引き返そうと思っていた。それほど疲れていたし、足の調子も良くなかった。ただ朝の山々の美しい写真は欲しい。取り敢えず見晴らしの良いテント場に行ってみた。
テント場は山荘から150Mほど離れた展望の良い高所に有る。山の日を含む連休中は満員だったそうだが、今日は比較的空いている。色とりどりのテントに朝日が映える。
剱岳の荒々しい姿が見えていた。これですよ、これ。日中のぼやけた様な姿は見たくない。キリッとした姿は朝ならでは。
こちらはお隣の立山。爺ヶ岳、鹿島槍ヶ岳は立山、剱岳の絶好の展望台だ。
リンドウ。ここからお花畑が始まる。
さてこの先へ進もうかどうか迷ったが、まだアンヨは大丈夫みたいなので、取り敢えず布引岳まで行ってみることにした。やっぱり人間は欲が出るもんですなあ。(笑)
だいぶよれよれだけどウサギギク。
イブキトラノオ
ここはまだゴゼンタチバナが残っていました。
クルマユリ。ここしか咲いてなかったみたい。
トモエシオガマ。今が盛りらしく、至る所に咲いてました。
私の好きなキヌガサソウが人目を避ける様にひっそりと咲いてました。でももう花も終わる寸前ですね。
お花畑を通過し、通ってきた後ろを振り返る。爺ヶ岳の三つの峰が見える。
いよいよここからが核心部だ。布引岳の急登が始まる。私は前日の轍を踏まぬ様、ゆっくりと一歩一歩、確実に歩を進め、決して無理をしない様、息が切れたら休みながら登る。
少し登ると立山、剱岳方面や針ノ木岳、蓮華岳方面が朝の陽光を浴び、美しい。
剱岳山頂部
何とか布引岳の頂上へ着く。周りは360度のパノラマだ。頂上にいた人に私の写真を撮って貰って、次の鹿島槍ヶ岳へ向かうべきかどうか相談する。前日足を吊って、ここでまた無理をすると大幅に下山が遅れる。潔く引き返すか? しかしもう鹿島槍ヶ岳は目と鼻の先だ。ここまで来て撤退も癪だ。その人はまだ時間が早いから、絶対行くべきだと言ってくれた。背中を押された様で踏ん切りが付いた。行くべえ。もう鹿島槍ヶ岳はこの機会を逃したら、生きているうちに登れまい。Nさんの帰宅を遅らして悪いが、思い切って足を鹿島槍に向けた。
布引岳頂上。標識の後に鹿島槍ヶ岳南峰。その向こうに北峰が見える。
朝はまだガスが出ないので遠くの槍・穂高連峰まで見える。登ってきて良かった。
鹿島鎗へ向かう途中、Nさんが下山してくるのに出逢った。彼は私が登ってくるとは思わなかった様でビックリした様だったが、山頂の景色は最高だったと言って、私を元気づけてくれた。こうなりゃ何が何でも山頂を踏むべ。リュックを道の傍らにデポして、カメラと水だけを持って山頂アタックを開始する。
マツムシソウ。お目に掛かれるとは思わなかった。
ここはトリカブトの群生地だった。
後から後から来る人達に抜かれるが、なに構うことは無い。頂上は目の前だ。一歩一歩足下を確かめながら、足を運ぶ。そして遂にやりましたよ~ん。昨日柏原新道で足を痙攣させてから、思えばよくぞここまで歩いたものだ。午前8時登頂を成し遂げる。14年前は然して感動しなかったのに、今回は無性に嬉しい。苦労して登ったせいか。一当り写真を撮り、下山に向かう。ここからが本当に大変な所だ。昨日より長い距離を歩かねばならぬ。Nさんには種池山荘で待っていてくれとお願いしてある。どうでもそこまでは辿り着かねばならない。
北アルプスを背景にケルンが聳え立つ。
眼下に五竜岳、雲が来ていて分かりづらいが、キレット小屋などが見える。遠く白馬岳までも見えた。
こちらは北峰。前回はここも制覇したのだが、今回はとてもそんな余裕は無い。
さてここからが地獄の下山となるのだが、それはまた明日のお楽しみ。(エー、まだ続くの?)ウルヘー、ネタが無いんだよ。だから無理に引き延ばすんだ。文句あっか!