すかんぴんのブログ「今日もヒマだぁ~」

暇を持て余して、お山、お絵かき、蕎麦打ち、山菜採り、キノコ採り、音楽鑑賞、オーディオ、パソコンと、あれこれ手を出し、もがいているジジイのページです。

習い事

 子供の頃は漫画大好き少年だった私はひたすら漫画を読んで、絶えず空想に耽っていた。そのため外で独りで「ター!」だの「ヤー!」だの声を張り上げて跳ね回っていた。だから姉などはその様子を見て、この子は頭がパープリンじゃなかろうかと非常に心配したそうな。

 

 そんなことも有って私は落ち着きのない子で有った。漫画を見てる時はそれに没入していて大人しいのだが、それ以外は空想癖も有ってか、どうもじっとしていられなかったようだ。まあ今で言う多動症だったのかも知れない。

 

 そんな私を落ち着かせようとしてか、父親は上の兄や姉同様、私に習字を習わせようとした。ところがどっこい、そんなのを習わされたら、かしこまって机の前でじっとしていなければならない。

「余計なお金を使わないでいいよ。うちは貧乏なんだから。第一オイラ字なんか下手でいいもん」

ときっぱりと拒絶した。まあ、確かにお金を使わなくて済むから、教育熱心な父親でも背に腹は替えられぬ。無理にさせることも有るまいと、あっさり引き下がった。

 

 さて次なる習い事は算盤で有った。これも上の二人は習いに行っている。しかしどうしてこう私の兄姉は習い事が好きなんだろうね。私なんか習いごとをすれば、それだけ自分の時間が少なくなるから、余り好きでは無かったのである。まあ、算盤は確かに商業高校を卒業したり、就職するには特技となるから有利かも知れないという打算も彼らには有ったのだろう。

 

 斯く言う私もやはり現実的になったのか、算盤塾だけは行った。小学校3年生になってからである。つまり九九を覚えたら算盤は出来るからで、しかもその算盤道場の月謝は安かったのも私が行く原因の一つだった。こんな訳で私は子供の頃から絶えず我が家の経済状況を考えて行動しておったのだよ。(嘘つけ!)

 

 ま、一応珠算検定で3級は取ったので、これで算盤を習うのはお仕舞い。中学校に入って今度は学業とクラブ活動で忙しくなるから、算盤道場は通っていられない。一方その頃は学習塾なるものが出始めており、我がクラスの者も3分の1以上のものが通っていただろう。どちらかと言うとちょっと出来の良い子の方が多く通っていたように思う。

 

 そうなると親もお前は行かなくていいのかとまたも心配をしてくる。学習塾は算盤道場なんかより遙かに月謝は高いから、当然私は行かなくていいよと応える。エー、つまりウチは学習塾に通わせる余裕なんてないのは分かっていたし、私もまたそれほど劣等生ではなかったんですな。つまり親に心配掛ける程バカでなくて良かったと言う事です。

 

 さてそんな子供の頃からの体験もあって、どう言う訳か、いつしか私は習いごとをするのが苦手になったんですな。何をするにも独力でやろうとするもんだから、えらく時間が掛かるし、また気が向いた時にしかやらないから、ちっとも上達しない。大体独力でやるというのは自分で考えるだけ有って、覚えれば確かに身につくが、一方独りよがりになったりすることもある。しかも当然上達の速度は遅くなるし、覚えてもいわゆる我流となる。

 

 結局習いごとをしなかったのが、果たして良かったか悪かったか、未だに判然としないが、少なくとも家計を圧迫しなかったことだけは確かだ。(笑)まあ、私は物覚えの悪い子だったし、飲み込みの遅い子でもあったから、案外自分で考えるのが性に合っていたのかも知れない。そんな訳で何かやろうとしてもいつも他人様に教えて貰うと言うことが無いから、失敗も沢山経験している。まあそれも勉強と楽しみだと思ってやっています。はい、最後までご覧戴いて有り難うございました。(ペコリ)