すかんぴんのブログ「今日もヒマだぁ~」

暇を持て余して、お山、お絵かき、蕎麦打ち、山菜採り、キノコ採り、音楽鑑賞、オーディオ、パソコンと、あれこれ手を出し、もがいているジジイのページです。

オラは死んじまっただー(2度目の鹿島槍ヶ岳登山)その3

 さて、いよいよ下山だ。基本的には高い所から低い所へ下りて行くのだから、そんなに体力は使わないと思っている人もいるかも知れないが、どっこい、自転車で下りる訳じゃ有るまいし、事はそんなに簡単では無い。山登りという奴は必ずアップダウンというのがある。帰りの場合、行きに下った爺ヶ岳から冷池山荘までがほぼ下りだったから、帰りはこの逆となる。ここが地獄の登り返しだ。なにせ今迄に相当体力を消耗しているから、例え下りと言えど、足を動かすだけでも疲れる。

 

 まあ、悲観ばかりしていてもしょうがない。とにかく歩かねば着かないのだ。登山口の扇沢に向かって出発! 布引山を下山している途中で、今日扇沢から登ってきた女性と出会った。何でも日帰りで鹿島鎗をやっつけると言う。オホー、大した女傑だ。14年前に私がしたことを、今度はこのうら若い女性がチャレンジしている。しかし時刻は9時を回っている。これから布引、鹿島鎗と征服しなければならないから、まだまだ油断は出来ない。まあ北峰へ行かなければ何とかなるだろう。でもこの時は熟々若さが羨ましかった。

 

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何でもない所でも、油断して足を滑らせば、一直線に眼下の沢へ転がり込む。

 

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トリカブトの群落

 

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雷鳥さんご一家と遭遇。親子で6羽ほどいました。私ってよく雷鳥さんと出会うんですよねえ。ご縁が有るのかな?

 

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このイワカガミに似た花がわかんないんだよねえ。

 

 午前10時に冷池山荘に戻ってきた。昔だったら1時間で戻ってくる所だが、老いさらばえた現状ではやむを得ない。ここで軽く昼食を摂って10時20分出発。だがここからは登りとなるので、足取りが重い。登っては休み、登っては休みを繰り返し、遅々として進まない。だがまた足が痙攣するより増しだ。Nさんには悪いが、この分だと種池山荘到着は午後になりそうだ。

 

 更にトラブルが発生していた。かなり後になってから気がついたのだが、カメラのモードダイヤルが、絞り優先からシャッター速度優先にいつの間にか切り替わっていた。あちゃー、折角帰りの景色も撮ったのに。露出オーバーでみんな白く飛んでしまっている。うー、コマクサの写真も有ったのにぃ。油断大敵じゃあ。

 

 やっとの思いで爺ヶ岳を通過。後は下るだけじゃ。種池山荘前には午後12時45分着。Nさんはちゃんと待っていてくれた。ここで午後1時まで休憩させて貰って、いよいよ後は扇沢へまっしぐら。・・・の筈だったんだけど、そうは中々問屋が卸さない。下りだから、最初は順調に足を運んでいた私も、疲れからか段々下る速度が落ちてくる。残り1kちょっとのところで遂にNさんに先へ行って待っててくれとお願いする。下りが得意な私としては、こんなのは初めてだ。

 

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黄金岬と書かれた看板の所へ来た。もうかなり下っては来ているのだが、私の軟弱なアンヨはここから更に速度低下を来す。

 

最後の方へ来て、後ろから来た男の子にも抜かれた。こ、小癪なクソガキめがぁ!あかん、ち、力が出ん。情けなや~。

 ああ、嘗ての鬼の様な体力はどうなった? 昔の光今何処? 駿馬も老いれば駄馬に如かず、などと嘆いたって、登山口が向こうの方から私に近づいてくる訳じゃ無し。歩くしか無い。もうボロボロの状態で登山口に下山したのは丁度午後4時だった。ウッソー、前回は日帰りでも午後3時半には下りていたぜ。(ハイハイ、分かりましたがな。アンタはんが若い頃体力が有ったのは)

 

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か、帰って来まひた~。もうボロボロ。

 

 もう完全に私は死んでいた。そのまま夢遊病者の様に車へと足を運ぶ。気付いたNさんが、車を持ってきましょうか? と私の所へ来て言った。恐らくかなり与太っていたに違いない。車の所で少し休み、エアコンで涼むと、漸く少し回復した。この後温泉施設へ行き、一風呂浴び、帰りに夕食を摂ると、やっと人心地が付いた。車だったら、あっという間に信濃大町から糸魚川へ来てしまう。でも文明の利器に慣らされたアンヨと体は酷く軟弱になっていたのでありました。はい、この項おしまい。