すかんぴんのブログ「今日もヒマだぁ~」

暇を持て余して、お山、お絵かき、蕎麦打ち、山菜採り、キノコ採り、音楽鑑賞、オーディオ、パソコンと、あれこれ手を出し、もがいているジジイのページです。

アイスキャンデー

 私の子供時時代はエアコンなんて何処の家もなかったから、専ら扇風機で涼を取っていた。それでも我慢で来なくなると子供達はアイスキャンデーを買いに走る。当時はそこら中に駄菓子屋さんが有ったから便利だった。私は自分の家の前の坂を登った所に有る幼馴染みのKくんの家が菓子屋さんをやっていたので、アイスキャンデーはそこで調達するのが常だった。アイスクリームも売っていたが、それは10円なので1本5円のキャンデーを買う事になる。これだと10円で2本買える。当時も今と同じで質より量のタイプだったのである。尤もアイスクリームにはバーとカップがあって、バーの方は食べ終わると棒の所がクジになっていて、当るともう1本貰える楽しみがあった。アイスキャンデーはオレンジ味やらミルク味があったが、私の好きなのは小豆で専らこればかり買っていた。
 さて買って来たアイスキャンデーは早く食べるとつまらないから、ゆっくりと舐め回してから食べる。食べている間は暑さを忘れられる。しかしそうかと言ってあまりまたゆっくりという訳にも行かない。2本目のキャンデーが溶けてしまうからだ。で、この2本目が余り溶けないうちに1本目を食べるスピードが大切なのだ。これは一朝一夕で身につくものではない。毎夏、毎日アイスキャンデーを食べてこそ身に付く高等技術なのだ、オッホン!(アホ!アイスキャンデー食べるのに技術もへったくれもないだろうが。)
 こうして真夏の暑い日はアイスを食べるのが楽しみなのだが、油断は禁物なのである。それは食い意地の張った兄が虎視眈々と私のアイスを狙っているからだった。8歳年上の兄は言葉巧みに私を脅したり、なだめたり、すかしたりして私のアイスを奪おうとするのだった。(悪い奴!)しかしそれが駄目だとなると今度は粉末ジュースを買って来いと言う。当時は林家三平のCMでお馴染みの「渡辺のジュースの素」が売れに売れていた。えーと10円くらいで何袋か入っていてこれを水に溶かせばハイ、ジュースの出来上がり。だがその後日本ソーダという所から出た「ソーダラップ」に市場を奪われて行く。ソーダラップはジュースの素と同じ粉末なのだが、水に溶かすと手軽に炭酸飲料が出来る。で我々はこのソーダラップも愛飲した。しかしこのジュースという奴は冷えていなくては旨くない。で、近所の食堂から氷を買ってきてそれをジュースに浮かべて飲むのだった。今では自宅の冷蔵庫でいくらでも氷を簡単に作れるし、安いジュースなら量販店にもある。随分と便利になった。だが近所の駄菓子屋さんでアイスクリームボックスの中から胸をときめかせてアイスキャンデーを取り出す高揚感は二度と味わえない。