お天気がいいのでまたしてもすかんぴんはキノコ採りに励むのであった。だがいつも行く所は行ったばかりだし、まだちょいと最盛期には早い。そこで新規開拓をしようと言うことになって、車で1時間ほどの高原に行く。目指すお山はもう少し先に有ったのだが、途中の山に遊歩道が付けられている所が有ったので、そこへ入ることにした。
だがここはブナ林。ブナの木にはナメコが生えていた試しが無いんだよなあ。ブナの木は樹皮がすべすべしているのに加えて木が堅いので、倒木にでもなって樹皮が剥げやすくならないとナメコの菌が入らないのである。案の定な〜んも見つからない。諦めて帰ろうとすると、同行のUさんがクリタケを発見。そうか、ナメコが駄目でもクリタケが有るよなと思い、気を取り直し、引き返して再び捜索。
そうしたら有りましたよ。楢の木の倒木にびっしりと瑞々しいおナメコ様が生えているではないか。やったべー。これだけでレジ袋いっぱいになる。ここの所小粒なナメコばかりだったので、傘が開いたのは久しぶりだ。
一つ見つかると一所懸命探す気になる。その倒木の辺りを探していたら、チャナメツムタケも発見。おお、今日は何だかついてる〜。こうなるとブナ林も捨てたもんじゃ有りませんよ。その後も楢の木を探して移動する。うん、この森ブナ林だけど、楢の木には結構ナメコが出ている。しかも津南町よりもナメコの出が早い。そしてあっという間に3袋ほど採った。ザックがずっしりと重くなった。でもこんなに出ているのに他人にとられていないとは?どうやら余り人が入らないのかな?
そうなると熊さんがいないかと心配になる。実際私たちの他に全く人の気配がしないから、幾らキノコが採り放題と行ってもいささか薄気味悪い。でも木々の葉っぱが落ちて見通しが良くなっているから。出会い頭でも無い限り,熊さんの発見は容易だろう。兎に角折角来たんだから採りまくるぞー。
さて立ち枯れの楢の木にびっしとナメコが生えているのを発見。だが残念ながら今日は秘密兵器を持ってきていない。高い所に有る奴は全然届かない。残念無念だー。しょうがないから採れる範囲のナメコを採っていると突然携帯の電話が鳴った。
「もしも〜し。会長?市の広報がまだ届いてないんだけど。」
と庶務部長のKさんからだった。
(ゲッ。まずい。忘れてた。今日は広報が来る5日だった。あちゃー、天気がいいんですっかり忘れていたよ。)
「もしもし、すみません、今ちょっと遠くに来ているんであと1時間半くらいで帰りますんで。それでいいですか?」
私は流れる汗を拭きながら平身低頭していた。以前も忘れていたことが有ってこれで2回目だ。駄目会長ですなあ。
そう言う訳でキノコ採りを中断して急遽帰宅。まあ沢山採れたから帰ろうかなと思っていた所だから、良かった物の、全然採れなかったら、何しに来たか分からない所だった。坂を下って下りる途中、後ろでドサリと言うような音がした。熊さん?いや、そうじゃないとは思うけど早く帰らなくちゃ。
帰宅して早速Kさん宅へ広報を届ける。お待たせしたお詫びにおナメコ様を少しばかりプレゼント。Kさん、これで機嫌治してくれるかな?(イイトモ!)その後おナメコ様を綺麗にするのに日暮れまで掛かった。後の処理のことを考えると、丁度良いタイミングで電話が入ったんだと改めて思いました。それにしても残してきたキノコは惜しかったな。じゃあ、明日また行くべえか。(ええ、まだ採るの?)