すかんぴんのブログ「今日もヒマだぁ~」

暇を持て余して、お山、お絵かき、蕎麦打ち、山菜採り、キノコ採り、音楽鑑賞、オーディオ、パソコンと、あれこれ手を出し、もがいているジジイのページです。

山岳写真家

 来年のカレンダーを作っていたらふとこんな事に思い当たった。それは絵を描くことと写真を撮ることとどちらが大変かと言うことだ。まあその道のプロになればどちらも大変なんだろうが、難儀とか辛さとか言う事になると山岳写真家は大変だなと思う。

 絵の場合必ずしも見たとおり描かなくていい訳だから、適当にイメージを膨らませたり、デフォルメして描こうが自由で有る。極端な話、今現在雨が降っていても晴れたように描いてもかまわない訳だ。だが山岳写真となると気に入った場面になるまでひたすら待たなければならない。だが待ったとしても必ず望み通りの光景が得られる保証はない。冬の黎明時の写真撮影なんてのは悲惨で有る。あまりの低温にシャッターが切れないかもしれないし、バッテリー性能は著しく低下する。第一その山のその地点まで行くのが夏とは違って大変だ。命懸けで有る。絵を描くのに命懸けでその現場に行くと言うことはあまりないだろう。

 ただ写真の良い点は何枚でもシャッターが切れることで有る。沢山写真を撮ってその中から良いものを選ぶことが出来る。言わば絵は一つのものを練り上げて完成させるのに対して、写真は選択の作業といえるだろう。先ほども言ったようにどちらが芸術性に於いて上かなんて野暮は言うつもりはない。私はただ山岳写真家というのは本当に大変な職業だと言うことだ。体力が必要だから、歳をとってからも出来る商売ではない。私に言わせれば何でそんなにつらい職業を選んだのかと問いたくなる。だがやはりあの自然の雄大さ、繊細さ、美しさに一旦惹かれたら嵌まってしまうのだろう。

 いま私は菊池哲男氏の「白馬」と言う写真集を久々に書庫から引っ張り出して見ている。どの写真も凄い。そしてまたしても痛感する。山に魅せられた者はやっぱり撮りたくなるんだろうなと。そしてその撮影の苦労を推察せずには居れなかった。ああ、私もこんな写真を撮ってみたい。無理だろうけど。(笑)

菊池哲男氏の「白馬」