すかんぴんのブログ「今日もヒマだぁ~」

暇を持て余して、お山、お絵かき、蕎麦打ち、山菜採り、キノコ採り、音楽鑑賞、オーディオ、パソコンと、あれこれ手を出し、もがいているジジイのページです。

後継者がいない

 いわゆる個人事業主といわれる人たちの数がめっきり減ってしまったようだ。昔は家が事業を経営していたら、大抵子供が後を継いだ。だが今やほとんどの家でそんなことは無くなってしまった。一つには親がどうでも自分の仕事を次いでもらいたいとは子供に言わないからだろう。子供の気持ちを尊重しているのである。やりたいことが有ったら、好きなようにやってみるがいいと言う考え方だ。また子供も親の家業を継ぐよりも自由に生きたいと思っているのだろう。今ひとつは各事業が皆大型化して個人事業ではなかなか対抗しづらくなったことだ。スーパーなどの大型化や、チェーン店などの系列化が拍車をかけて品数や価格で太刀打ちできなくなってきたからだ。

 こう言った傾向は確実に個人経営の店を減らしてきた。鉄工所なども同様で有る。昔は家業を継ぐために工業高校に入ったものだ。だが今や親の後を継ぐなんてことは考えていないから、最初から工業高校何ぞ行きはしない。悲しいかな、卓越した技術を持った町工場の親父さんの腕も継承されること無く絶えてしまうので有る。

 櫛の歯が欠けるようにまた商店街から1軒、また1軒と店をしまうところが出てくる。どんなに大手の店が増えようと個人のお店が無い町は何か活気が無い。第一スーパーなどは採算が採れなくなればすぐに撤退する。周辺のお店を潰しておいて、勝手なものだ。後には買い物弱者が増える。

 かく言う私も子供がいなかったから、当然後継者がいないので、私の代で店を閉じた。せっかくお客さんもいたがやむを得ない。まあ、子供がいても後を継がない時代なんだから、当たり前と言えば当たり前だが。

 もはや商店街という物が無くなってきた。地元に根を下ろしてやっていた個人のお店が無くなるのは寂しい。お客と商店主の対話も無くなり、ただ機械的な買い物だけになってしまった今ではやたらと昔が懐かしい。