今年はコロナ禍のお陰でほとんどと言っていいほど、何処へも出かけていない。私はストレスが溜まるような性格では無いが、たまには気分を変えたい時もある。昨年以来お山へは全然行ってないので、一体どれくらい歩けるのかも不安だ。
そこで山登りと言うよりハイキングだが、久しぶりに美ヶ原へ行くことにした。土、日なら高速道路の割引が使えて一番いいのだが、生憎お天気の方が悪い。山はやはりお天気の良い時でなければならぬ。この月曜から水曜日は松本の天気は良さそうなので、中日の火曜日に登ることにした。
マーさんに声をかけると年休を取って行くと同意してくれた。まあ彼も久しぶりのお山なので、やはり行きたくなったのだろう。当日の朝5時45分に我が家を出発。美ヶ原は学生時代と18年前と今回で3回目だが、今回は松本の方ではなく上田市の方から行くことにした。この方がどうも近いみたいだし、何より高速代の節約になる。平日だから割引はないから、なるべく安くなるコースを選ばないとね。(笑)
上田市に入ったらちょうど通勤のラッシュアワーにぶつかった。町中を通るので、信号はあるし、渋滞はしているしで、ここで大幅に時間をロス。まあ、これは止むを得ないでしょう。
さて愈々山岳への道路に入る。見る間に気温は低下しだして、上田市の平地では21度だった気温があっという間に17度に下がる。山の方は予想に反して雲がかかっていて、前途多難を思わせる。
そうして遂に雲の中に突入。しかしそんなに酷くガスは掛かってない。それどころか日が差してきて、明るくなってきた。これは期待が持てますよ。なにせそれほど当てにはならないが、こちらには晴れ男のマーさん大先生が隣に座っていらっしゃる。
ついに雲を抜け、ゴール地点が見えてきた。「美しの森美術館」も現れる。しかし空を眺めると幾分か青空は覗いているものの、依然として雲が多い。山本小屋のある第二駐車場に車を駐める。気温は14度。もう山の上は秋である。
第二駐車場のある所の山本小屋ふる里館
残念ながら雲が多いので、遠くの山々の眺望は得られそうもない。後ろの尖った小高い地点は牛伏山。
美ヶ原は標高2,000mのなだらかな高原で、放牧が行われている。またここはガスが掛かりやすく、今迄一度も雲のない快晴に出会ったことはない。今回も秋晴れに期待したが、残念ながらあきまへんな。
気温も低いし風もあったので、もう一枚上着を着込んで出発。今日は高低差はあまりないが、移動距離は結構有る。まあ、時間はたっぷり有るので、ゆるゆると進撃じゃー。
「美しの塔」ガスの濃い時はこの塔の鐘の音が頼りになる。背後に王ヶ頭の電波塔と王ヶ頭ホテルが見える。今日はそこを通って王ヶ鼻まで行く予定だ。
分岐の近くに「畜魂碑」などの石碑があった。
夏の盛りを過ぎているので、花にはあまり期待していなかった。ここまでほとんどと言っていいほど花に出会わなかったが、漸くハクサンフウロに出会う。
かなり王ヶ頭がハッキリ見えてきた。電波塔が林立している。
遊歩道を歩いていると突然槍ヶ岳の雄姿が目に飛び込んできた。こうしちゃおれん。カメラのレンズを望遠レンズに交換する。くっそー、手持ちだと手ぶれして中々ピントが合わん。と、そこへスマホの着信音が鳴る。誰だ、このくそ忙しい時に。出てみると同級生のO君からだった。エー、何だ、ウー、大した用事じゃねえじゃねえか。こちとらまた槍が雲海に隠れないうちに写真を撮らなくちゃならないんだ。適当にうっちゃっておこう。(ヒドイ!)
ウホー、槍のお姿が。漸くここで初めてお目に掛かることが出来ました。この先雲が何処かへ行ってくれれば大いに期待が持てる~。
愈々王ヶ頭が近づいてきました。それにしても18年前にも来たはずなのに、ちっとも記憶がない。
王ヶ頭に到着です。マーさん、記念写真を撮りましょう。
王ヶ頭ホテルの前に植えられていた?トリカブト。
こりゃあ何だべ? 黄色い花はよう分からん。(情け無やー)
ノコンギク。まあコイツは平地でも良くお目に掛かる。
王ヶ頭から斜め左後ろを振り返ると、断崖絶壁になっていた。
標高2,034mの王ヶ頭からは北アルプスが遠望出来る。しかしまだ依然として大部分は雲がかかっている。
諦めていた幾つかの花々に王ヶ頭から王ヶ鼻へ向かう途中の登山道で出会うことが出来た。やはりお山で花を見ると気分がホッコリしますね。
ヤマハハコ
ウメバチソウ群生
只1本だけ残っていたタカネナデシコ。発見したのはマーさん。エライ、良くやった。オホン、チミも漸く花が分かってきたようだねえ。(えっらそうに!)
なかなかの景観です。空はもう秋の気配ですね。
途中でマルバタケブキの群落のある所を通りました。残念ですが花の時期は終わっていましたが、僅かながら花が残っていました。
さてゴール地点の王ヶ鼻へ到着しました。眼下に松本市内が見えますが、北アルプスは相変わらずほとんどが雲の中です。アーン、残念じゃー。折角重い三脚を持ってきたのに。神様、頼んます。北アルプスの姿を見せておくんなせえ。
以前登った時の2回とも視界は得られなかった所だが、三度目の正直。漸く景色を何とか見ることが出来ました。
北アルプス全体の姿を写真に収めんと、昼食を摂りながら1時間ほど待ったが、遂に叶わず。結局この槍ヶ岳の写真で我慢することにしました。
山座同定盤を見ながら山を確認するマーさん。
さて諦めきれないが、いつまでもこうしている訳にも行きません。王ヶ鼻に別れを告げて帰路につきます。今回は3回目の登攀でしたが、(登攀と言うより横歩きかな?)今迄で一番の眺望でした。晴れ男マーさんの神通力は健在なり?
さらば王ヶ鼻
断崖近くの「アルプス展望コース」と名付けられた道からは北アルプスが一望出来るが、残念ながら本日は結局最後まで雲が取れなかった。
帰路、正面に見えたのは三峰山か?
塩くれ場と呼ばれる地点では文字通り牛たちが塩をなめていた。
最近はちっとも歩いていなかったし、カメラ機材や水などを詰め込んできたので、かなりリュックが重くなって、体のあちこちが痛い。やれやれ老いましたな。帰りに上田市の「美しの湯」に入って汗を流しました。ちなみにその夜は爆睡でした。(笑)