安酒

　私は以前安酒を軽蔑していた。それは飲むと旨くない上に決まって悪酔いしたからで有る。それが日本酒であれ、洋酒であれ、決まってそうなるのであった。良く人はこんなの平気で飲めるなとさえ思っていた。大体そう言う人は酔えばいいのであって旨く感じる必要は無いと思っているのではないか、いやそもそも酒の味の分からぬ人ではないかと思っていたのである。

　だから私は昔で言う二級酒を敬遠していたかというとそうではない。二級でも美味しい酒は美味しいのだ。ただ銘柄によって飲める酒と飲めない酒があった。例えば地元の酒蔵の酒、ｋは今もって駄目である。醸造用糖類をたっぷり入れてあるので変に甘ったるく、手に酒が付いたりするとぺたぺたする。どうやら私は基本的に日本酒は純米酒が合っているようなのだ。尤も最近は糖尿病なので日本酒は飲めないが。(笑)

　純米酒というと安酒は当てはまらないから当然高く付く。だから昔はなるべく酒は飲まないようにしていた。(ケチ！）だが家庭教師を辞め、仕事も引退するとい晩酌がしたくなってくるから酒を頻繁に飲むようになっていた。だが相変わらず日本酒は純米酒、ウィスキーはサントリーのダルマ以上、ワインはチリワインなどの外国産と決めていた。

　ところが最近それが変わったのである。まあ、それは懐事情による所が大いにあるのだが。(笑）町内のオーディオ仲間セーさんは箱の日本酒を飲んでいるがそれが結構旨いという。うむ、そんな話は聞いた事が有る。されば拙者も高い酒ばかり飲んでいなくとも良い。要は旨けりゃいいのである。そこで思い切ってサントリーの箱ワインに手を出してみた。「濃いめの赤」と書いてある奴である。

　んで飲んでみた。イケルじゃないの。下手な国産ワインの高い奴より余程旨い。う～む、見直したぞよ。何事も食わず嫌いは良くないのう。エー、これは何もオイラばかりがそう思う訳じゃなく、飲んだ方全員がそう思っているのだから間違いは無いです、ハイ。しかも安いばかりでなく量もある。何と1.8Lだ。通常の瓶入りワインが720mlだから断然お得だ。

　ワインがそうならウィスキーだって等級を落としたって飲めるかも知れない。以前はリザーブだ、オールドだって言っていたが思い切って角にしてみた。結果は十分飲めまんがなでした。う～む、してみると拙者は元々安酒向きの人間だったのかも知れん。それとも体が懐具合を鑑みて安酒に順応したのかも。(笑）

　いずれにしても高い酒を買わずにすむ事は有りがたい。さてこの先もっと安い酒で住むようになるかは分からないが、美味しく飲めることは変わらずにいたいですな。