目標、希望といった意味の夢ではなく実際に眠って見る夢のことである。最近ちょくちょく見るようになった。〝夢は五臓の疲れ″と言って五体が健康であれば夢は見ないそうだが、どうも歳をとってくると眠りが浅くなるせいか見ることが多くなった。大体見るのは明け方近くの眠りが浅くなった時である。自分では半分意識はあって夢の中で夢の物語と必死に格闘しているのだ。つまり夢があらぬ方向に行こうとするのになんとか抵抗を試みているというわけである。為に必死で抗って稀に声を出して目が覚めることがある。この時はだいたい怒っている。余談だが亡き母の話によると夢を見ている時、兄は泣いて姉は笑い、そして私は怒っているんだそうな。還暦近くになってもまだその夢の癖は治らないらしくまさしく〝三つ子の魂百までも″だ。
で、見る夢の中身は大抵仕事をしている夢だ。それも時間に追われていたりとか、仕事が上手く行かなかったりとかする夢だ。そして一緒に仕事をした筈はない義理の甥っ子や同級生などが加わって支離滅裂な話になったりする。
やがて目を覚ますとその時は夢の中身を覚えているが１時間もすると綺麗さっぱり忘れてしまう。どうも記憶力の低下も甚だしいようだ。しかし毎回毎回見る夢が仕事の時の話だというのも味気ない話だ。たまにはとびきりの美女とチューでもしている夢を見ないかなあと今夜も寝る前に夢見る私であった。
