子供の頃好きだった食べ物に鯨の缶詰がある。夏に夕顔と一緒に食べた鯨肉は嫌いなのに何故か鯨缶は好きだった。それも歯鯨の肉では髭鯨の肉である。私が食べていた鯨缶には堂々と長須鯨とプリントされていた。当時は無論捕鯨禁止ではなかったからこの長須鯨の美味しい所が缶詰になっていた。今では調査捕鯨のみの漁だから鯨の肉は豊富に出回ってはいない。それでもお店に行くとある所にはある。だが余り髭鯨の物は無い。
今日Ｋさんが年賀状印刷の御礼として（インク代は別に戴きました）鯨缶を私にプレゼントしてくれました。以前私が鯨缶を好きだと言ったら、見つける度に買ってきてくれるのである。ありがたいですなあ。持つべき物は友達で有る。以前はマッコウクジラの缶詰を戴いた物だが、私が髭鯨の方が美味しいのだが、あんまりお店に無いのだよ、と言う話をしたら髭鯨の缶詰をプレゼントしてくれるようになったのだ。流石に子供時代に食べた長須鯨の缶詰みたいに板状しっかりとした肉ではなく、屑肉みたいな感じだがそれでも長須鯨は長須鯨である。マッコウなんかと比べたら味ははるかにこちらがいい。
早く捕鯨が解禁になり鯨の缶詰がいくらでも食べられるようになって欲しい物だ。ともあれ今回は大いにＫさんに感謝である。人間好物を食べている時程幸せな事は無い。思わず破顔一笑である。ま、それにしても鯨缶1個で幸せになれるのだから安い物ですな。
Ｋさんから戴いた鯨缶。嗚呼、懐かしい味だ。
