そろそろ申告の準備もしなくてはならないなどと考えていながらも、家でゴロゴロしながら本を読んだり、パソコンを構ったりしていた。と、そこへお馴染みのＫさんが午後早々と登場。授業は終わったのかと訊くと、今日はもう授業が無いとの事。この時期卒業が近くなると何だかんだで授業時間割が変更になるらしい。それはともかく手には菓子折が携えられている。
「学校から貰ったんだけどウチの嬶はあんまり饅頭を食べないからここんちにちょっと置いて行くよ。いつもいつもここでお茶を飲まして貰っているから」
（おお、殊勝な事を宣うでは無いか。やっとキミも人間が出来てきたようだね。そうそう少しは先輩に敬意を払わんと行かんよ、オッホン。）
などと私は心の内で思うのであった。
「おお、これは高柳のほんのび饅頭ではないか。こりゃあ旨いんだよね。悪いな−。そんな気を遣って貰って。でも遠慮しないからどんどん遣ってね。」
当方度重ねる出費で懐の寂しい折こういう寄付は大歓迎です、ハイ。と素直に喜びを表す。そしてお茶を飲みながら例によって楽しい雑談。適当に他人の悪口を言いながら飲むお茶は実に美味しい。（悪趣味？――いいんです！）折から外では春一番が吹き荒れている。でもここはの〜んびり。じょんのび、じょんのび。今年はこの分だと大雪の心配はもう無さそうだ。正教員に復帰するＫさんは今後は余りこんな時間は取れないかも知れない。ある意味幸せなひとときを噛みしめるように我家で時間を潰し帰って行った。暖かい春がＫさん始め読者の皆様にも一日も早く届きますように。
