昨日はMさんと私は一日夢の森公園の屋台村で頑張ったせいか、ちょっと疲れた。ところでMさんは先頃柏粼で行われた「風の陣」というイベントで地元の骨董屋さんからまたしても刀を買ったので、私に見せたくてしょうがないらしい。
「いやー、骨董屋が良い刀が入ったんでどうだね?と言うんでつい買っちゃったよ。またこれが中々いいんだ。」
「まーたキミはそんなくだらないものを買ったのかね。大体刀とか、やれ鉄砲がどうしたとか、そんな人殺しの道具ばかり集めてどうするんだ。おまけにサバゲー(サバイバルゲーム)までやったりして。一体刀は何振りあるんだ?そんな安物ばかり集めてもしょうがあんめえ。俺だったら良いのが一振り有れば十分だ。そもそももっとボークみたいに格調の高い趣味を持ち給え、ア〜ン。」
「いや、だからさ今度骨董屋が薦めてきた物はいいんだけど、ちょっと高くて手が出ないから、今迄買った軍刀のうちの何本かを下取りに出して買ったんだ。」
「ちっとはもっと役に立つものを買えよ。ボークなんかみんなも使うだろうと思ってこの間健康器具を買ったんだぜ。」
「ブログで見たよ。だーすけ刀を見せるついでにそれに掛かってやろうと言うんじゃねーか。」
「あ?掛かってやるじゃなくて、掛けさせて戴きますだろ?此奴口の利き方を知らんな。全く只で掛かろうというのに態度がでけえ。ハハー、お代官様、私めの様な下々の者にまでお殿様の貴重なお機械を使わせて戴き誠に感謝に堪えません。今後はお殿様のために粉骨砕身働きますだ。とまあこの位の事を言う謙虚さが無くちゃイカンよ、キミィ〜。」
「どうせヤフオクで安く買ったんだろ?そこまで言うか。」
とまあ例の如く軽いジャブの応酬があってMさんはゴロゴロ(スリーミー・ローラーのことを私はこう呼んでいる)に掛かる。
「く〜、効くなあ!今日は一日立ちっぱなしだったので、やっぱり腰に来てるんだな。これなかなかいいなあ。刀の支払いが終わったら俺もこれ買おう。」
ほーれ、見なさい。僕が君と違って如何に有意義な物を買っているか、やっとわかったようだね。ちょっとは見習いたまえ。Mさんは満足気に帰って行った。
すると今日お昼を食べた後眠いのでうつらうつらしていると、またMさんがやって来た。
「やっぱり今日もまだ背中が痛いから、ゴロゴロに掛からねばならん。」
「何?こやつウチを整体院か何かと勘違いしとるんとちゃう?これこれ、他人の買った物をさも自分の物の様に使うとは中々いい根性してるじゃないか。だったらたまにはそこに置いてある貯金箱に幾ばくかの寄付をして行こうと言う殊勝な心掛けが必要だよ。そこん所わかっとるのかね?」
と私がさりげなくではなく、あからさまに言うと
「はいはい、わかっとりまんがな。いずれボーナスでも出たらしっかり御礼はしますがな。それよりコーヒー早く入れろ!」
クソ、此奴は二度も機械を使わせて貰ったくせに全然態度は治ってないな。これではどっちがお代官様かわからんじゃないか。
Mさんはゴロゴロに掛かり、コーヒーを飲むとさっさと帰って行った。コーノヤローめ!ひとんちを喫茶店と整体院の代わりに使いおって!あ、でもこれって本当に商売になるかも?思わず真剣に考えたすかんぴんでした。