アンズタケが昨日沢山採れたのでＫさんに分けてやろうと思い電話すると
「俺、明日人間ドック入りするから何も食えん」
との事。あれま可愛そう。ならばＹさんにと思い電話すると誰も出ない。さては夫婦して何処かへ出かけたか。ええい、人が美味しいキノコを分けてやろうというのにどいつもこいつもタイミングの悪い奴らだ。しょうがない、直ぐ食べる分だけ残して後は冷凍にするか、と思った時筍をくれた町内のＯさんを思い出した。連絡すると貰いに来るという。やって来たＯさん、真っ黄色なキノコを見て
「これは何と言うキノコです？」
「えー、アンズタケと言う美味しいキノコなんですが皆毒キノコと思って誰も採らない。そこがこっちの付け目なんです。尤も最新のキノコ図鑑では毒となっていますが。」
「え、だ、大丈夫なんですか？」
毒キノコと言うと皆ひるむ。大丈夫、キノコ博士のＨ先生が言うんだから間違いない。以前の図鑑でも美味しいキノコとして紹介されていたのだし、インターネットで調べても中毒した例を見かけないと言うとほっとした顔つきになった。大体私自ら人体実験をしてから分けているのだからキノコアレルギーの人でもない限り大丈夫だ。まあ、万一中ったら運が悪いと思って諦めてくれ。あ、それから決して中っても吾輩を怨んではいけませんぞよ。（ひどい！）
Ｏさんは調理法などを訊いて帰って行った。さて今日になるとＵさんが
「私も食べてみる」
と言うので冷凍し掛かっていたが少し分けてあげた。このキノコは大体どんな調理法でも食べられないと言う事はないが油との相性がいいみたいなので天麩羅や油炒めにしたり、ピラフや焼きそばなんかに入れるのもいいかも知れない。どなたか簡単で美味しく食べられる調理法があったら教えて下さい。
さて夕方電話が掛かってきて町内のオーディオ仲間のＳさんが友達に貸していたジャズのＤＶＤが帰って来たので見る気が有ったら貸してくれるという。ハイ、当然有り難く見させて戴きます。（何せ只だもんね）さて高価なＤＶＤを貸してくれるというのに私はお返しする物が無い。弱った。あっ、そうだ。
「キノコ食べる？」
「キノコは好きだけどこの時期にキノコなんて有るの？」
「有るんです。一般の人はキノコは秋と思っているけれどキノコは年がら年中採れるんです。」
で、例によって真っ黄色いキノコ様の登場。流石に薄気味悪がっている。
「大丈夫、美味しいアル。一口食べる、止められないアル。沢山食べる、後でピーピー。」
とゼンジー北京の様な台詞で冗談を言って驚かす。Ｓさんも苦笑しながら喜んで持って帰りました。全く人がくれてやろうという時はなかなか貰う人がいないのに、貰われる時はあっさりと捌けるもんですな。
