Ｙさんから借りているモノラル用アンプはブライマーの6AG6Gと言う五極管を使ったプッシュプルだ。これが先日も述べたように至極ウチのシステムにマッチした。ジャズが上手く鳴る。特にテナーサックスが良い。音の押し出しも良い。欠点は音がやや膨らみ、（欠点と言えるか？）やや荒いこと。クラシックを聴くとＫさんの言うようにヴァイオリンなどは音が太くなってしまう傾向があった。しかし非常に魅力のある球だったのでネットで探してみたが見つからなかった。しかし同等管が他にあるのでオークションで売られている球を探すとフィリップスのEL33があった。で此処はのるかそるかで思い切って購入した。
今日届いたので早速試聴。6AG6Gと差し替えが利くので簡単だ。最初にシュワルツコップのレコードを掛ける。澄んでいて抜けが良い。落ち着いてしっとりとした感じだ。6AG6Gは音が膨らむので少し音像が大きくなるし、声もやや荒くなる。次いでシェリングの演奏でバッハの「無伴奏ヴァイオリン」を掛ける。こちらは歴然たる違いが出た。今迄ウチでこんなに上手くヴァイオリン再生をしたことはない。う〜ん、こりゃあ行けますよ。今度はジャズ・ヴォーカルを掛ける。カーメン・マクレエの「ブック・オブ・バラード」だ。うん、これも満足。次はジャズ喫茶の大名盤アート・テイタムとベン・ウェブスターの共演盤だ。これは綺麗に鳴ってはいるが何か少し物足りない。押しの強さが足りないというかゴリゴリした感じがない。何よりテナーサックスの音の太さが欠けているような感じだ。そしてややスピード感に欠けてちょっともたつく感じだ。いやスピード感と言うよりはじける感じがないのかも知れない。これはすこし厳しく評価したかも知れないが総じて音がしなやかで柔らかくなった分たくましさに欠けるような気がする。
つまり簡単に言えばフィリップスの方はクラシック向き、ブライマーはジャズ向きと言えるかも知れない。さてどちらか片方を選べと言われればこれは大いに迷う。私がジャズだけ、しかも楽器演奏だけの物しか聴かないとなれば迷わずブライマーだが、生憎我家にはヴォーカルレコードが山程有るし、クラシックも聴く。実に悩ましい。Ｙさんからブライマーを譲って貰って差し替えて聴けだって？うーん、それも有りかも知れないがいちいち差し替えるの面倒臭いからなあ。全く持ってオーディオという奴は難しいし、だからこそ楽しい。
さて当ブログの常連読者の皆さんはオーディオなんぞに興味は無いでしょうから今日の話はつまらなかったでしょうね。やっぱりすかんぴんはキノコの話をしていればいい？ま、お詫びに音楽を1曲。今日私が聴き比べに使った曲、ベン・ウェブスターとアート・テイタムで「All The Things You Are」
