すかんぴんのブログ「今日もヒマだぁ~」

暇を持て余して、お山、お絵かき、蕎麦打ち、山菜採り、キノコ採り、音楽鑑賞、オーディオ、パソコンと、あれこれ手を出し、もがいているジジイのページです。

ペラジャケレコード

 上越市のオーディオ仲間ミーさんはクラシックファンだったが、ジャズも好きになり、この数年間レコードを買い集めてきた。彼が買うのは所謂ペラジャケと言われるレコードでジャッケットが薄い60年代のレコードで有る。これらのレコードはジャケットは薄いが盤自体は厚く重く、そして音が良い。盤面も光沢と言おうか、つやがあるのが特徴で、案外盤の材料も現在のそれとはちょっと違う物が使われているのかも知れない。

 

 私も何枚か持っているので、その音の良さは実感している。また最近それを感じるレコードをミーさんから戴いた。それはトスカニーニ指揮、NBC交響楽団演奏のドヴォルザークの「新世界より」だ。録音は1953年だから当然モノラルレコードである。しかしステレオとかモノラルとかを超越してとにかく音が良いので有る。圧倒的な迫力。ただもうそれに尽きる。

 

 一体今のLPでこんなに録音の良い盤があるだろうか? 確かに音は綺麗だが、大概薄っぺらく力の無い録音の物が多い。ターさんに言わせると今の音はCDであれ、LPであれ、同じ音作りになっているという。それはゼネラルオーディオ、もしくはヘッドフォンオーディオに合わせた物になっているからだと言う。なるほど今や私やミーさんのようにフロア型スピーカーを使って聴くような本格的オーディオファンは確かに少なくなってしまった。今やネット音楽が幅を利かしている時代だから、それに合わせた音作りがなされているのかも知れない。

 

 音作りもそうだが、そもそも優秀な録音エンジニアが育っていないのではないか? そうでなければ今のような音になる理由が分からない。ジャズの録音で言えば、嘗てはルディ・バンゲルダーやロイ・デュナンなどのような名録音技師が居た。そして彼らが残した名録音盤の数々は今でもオーディオ機器の試聴盤として雑誌に良く取り上げられる。

 

 録音機材はデジタル化し、昔より遙かに音が良くなったはずなのに、何故か結果として音質はちっとも良くなっていない。単にCDとレコードの違いではない。やはり技術が下手になっているのだ。オーディオ仲間のターさんが嘗て私が在籍した「ジャズライヴを聴く会」のコンサートを生録音したことがあった。今それをCD化してもらって聴くととんでもなく音が良い。生演奏の雰囲気バッチリである。CDはやはり音が良いのだ。ただそれがプロの録音技師が録音してミキサーに掛け、ミックスダウンし、CD化し、市場に出る時にはなんであんなにつまらない音になってしまうのか? 恐らく様々なリミッターを掛け、しょうもない音にしてしまっているのだろう。

 

 ともあれ昔のSPレコードやLPがその演奏の雰囲気を良く伝え、また真の音楽を聴かせてくれているのは間違いない。皆さん大事なお宝を捨てて、ゴミを買っていませんか? 今一度嘗ての名録音を良い盤で聴かれて見ては如何でしょうか?

 

ミーさんから戴いたトスカニーニ指揮の「新世界より」。圧倒の演奏が聴ける名録音盤である。

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