すかんぴんのブログ「今日もヒマだぁ~」

暇を持て余して、お山、お絵かき、蕎麦打ち、山菜採り、キノコ採り、音楽鑑賞、オーディオ、パソコンと、あれこれ手を出し、もがいているジジイのページです。

モノラル録音

 私のレコードコレクションはほとんどがジャズでしかも古いスタイルのジャズが好きだからどうしてもモノラル録音のレコードが多い。だからモノラル専用のシステムもある。モノラル録音はスピーカー1台で聴いた方が音が安定して安心して聴ける。モノラルだから無論ステレオのように音は広がらないが奥行き感はちゃんと出る。しかも所謂モノラルHiFiの頃のレコードは音も録音の仕方もすこぶる良くて生々しい音が出る。当然使うカートリッジはモノラルで無ければならない。

 

 さてその事に漸く気づいたのか、オーディオ仲間の○桐さんが本日久し振りに我が家に遊びに来た。実は先日ヨーさんから自分のオーディオ装置の音を聴いて貰った時、オルトフォンのCG25Dと言うモノラルカートリッジが有るのだが(私も使っている)、それを持ってきて聴かせてくれたのだそうな。その音に甚くしびれて、何とか同じカートリッジが余ってないかと尋ねたのだそうだ。

 

 実はフーさんから古いオルトフォンのカートリッジ本体(そのままでは使えない)を沢山貰っていたのだが、ヨーさんがそのうちの幾つかを修理して私やミーさんに分けてくれていたのだ。だがどうも後に残った物は直せないからとのことで断られたようだが、ヨーさんが私が譲ってくれるかも知れないから訊いてみたらと○桐さんに知恵を付けた。(ありゃあ)

 

 ○桐さんの所のオーディオ装置もヨーさんやフーさんのお陰で進化を遂げ、最初の頃から比べるとずっといい音になった。まあ、進化すると言うことはいいことなのだが、反面泥沼に足を突っ込む危険性も大なのだ。つまりお耳が良くなるとその先もっと良い音、もっと良い音と追いかける羽目になる。さあ、そうなると丸い物が沢山必要になるのが困った事ですな。(笑)

 

 すこし話は変わるがCDを中心に特にクラシックが主体の人は余りモノラル録音を聴かない人が多い。私の知人でクラシックファンの方はステレオ盤主体で聴いている。まあ、これは特にクラシックのオーケストラ物なんかは確かに広がりが無ければ面白くないからしょうがない事だが、しかしクラシックでも編成の小さい物や器楽演奏などの物はジャズのコンボ演奏のようにステレオ、モノラルに拘らなくて良いのではないか。否、例えばバッハの「無伴奏バイオリン・ソナタ」なんてモノラルの方が良いくらいだ。

 

 恐らく○桐さんがモノラル録音の良さが分かったのはその演奏の生々しさ、音の安定感などに惹かれたのではあるまいか。事程左様に当時のモノラル・ハイファイのレコードは音が良いので有る。それに比べて最近のCDの録音の何とつまらない事か。確かに音は綺麗でダイナミック・レンジは広いし、音の分離も良い。しかし、ただそれだけである。聴いていると何か不自然さを感じる。ステレオ録音なのだが、マルチ・モノラル録音みたいに聞こえる時がある。そしてエネルギー感に乏しく、音も軽い。無論その音が好きな方も沢山居られよう。しかし私は駄目だ。私は大体40~60年代ジャズを中心に聴いている。ジャズが一番熱かった時代だ。ジャズはやはり「熱」だろう。その熱が伝わって来なければ何のためにジャズを聴いているのか。

 

 その熱さを伝えてくれるのがアナログ・システムであり、モノラル再生装置なのだ。○桐さんがモノラル再生に目覚めたというのは恐らくジャズという音楽が分かってきたからだとも言える。この先泥沼に嵌まるかも知れないが、それはそれで「毒を食らえば皿まで」という諺が有るくらいだから、覚悟を決めれば案外楽しいかも知れない。

まあ、そうなると困るという人はくれぐれも嵌まっている人には近づかない事ですな。毒を撒き散らかされますぞ。くわばら、くわばら。(笑)

 

 さてここで久し振りにジャズ演奏をお聴き下さい。以前お届けしたかも知れないけど(もう脳軟化症になっているから覚えてない)ベン・ウェブスターで「ダニー・ボーイ」当然モノラル録音です。