7年ぶりに群馬県は東吾妻町にある岩櫃山に登ってきました。ここは側を通る国道145号線からもその岩壁の荒々しい山容が見て取れる山です。お薦めの時期は紅葉が岩壁に映えるこの時期。「最近山へ行ってないぞー。連れて行け。」と再三がなり立てるMさんをおとなしくさせるには最適の山?と判断して行くことにしました。
お散歩クラブの面々としては横手山下山?以来の山ですが、目下足の故障中のUさんは不参加。しっかり治療してまた行けるようになるといいですね。
出発してから約2時間後に現地到着。どうやらお天気は良いようだ。雲がお山にかからないうちに写真を撮っておこう。保険をかけておかないと、山の天気はどうなるかわかりませんからね。
岩櫃山。御覧の通りの峻険な岩だらけの山だ。
登山コースは色々あるが、今回は前回登った時と同じ密岩通り登山口から行くことにした。一番危ないコースです、ハイ。鬱蒼とした杉林から始まり、やがて岩がゴロゴロする急な登りとなる。Mさんはいきなりの急登でまだ体が馴れていないのできつそうだ。フフフ、だがこれはまだほんの序の口。これからが怖いのだよ。
前回は途中戸隠山の「蟻の戸渡り」(じつはこれが天狗の懸橋)のミニ版みたいな所が有った。さてどの辺で出てくるか?だが行けども中々出てこない。すると岩に取り付けられた「天狗の懸橋迂回路」の看板の所に来た。左の方が道が狭そうで迂回路って感じはしないんだけどなあ、と思ったがオイラは男の子、迂回路なんて行きませんよとばかり右の道へ行く。だが実は右の道が迂回路だったのだ。あーあ、しまった。勿体ないことをしたな。まあMさんにとってはその方が良かったかも知れんが。
看板を判断し違えて左へ行く道が迂回路だと思ってしまった。
道理で天狗の懸橋がないはずだ。それにしてもオイラってやっぱりおっちょこちょい?でもねえ下に7年前の写真を載せておいたけど、この方がわかりがいいんじゃない?
そうこうするうちもう一つの難所の崖に来た。ここは道の両側が切れ落ちていて、しかも登る所はコンクリートである程度固められてはいるが、ほぼ垂直に近い感じの崖になっている。ここも油断出来ない。さあ、Mさん、びびらずにしっかり登ってね。
天狗の懸け橋を過ぎた所に有る崖。鎖が垂れ下がっている。これを命綱にして登る。
Mさん、下を見ちゃいけないよ。なお滑落すると確実に死にます。
よく見るとMさんに向かって斜め右後方に天狗の懸橋からの道があるようだが
この時は全然気づかなかった。
穴をくぐるとまた鎖場。上で人の話し声がする。どうやら頂上はこの上のようだ。
こ、怖〜い。鎖が張ってあるとは言え、一歩足を踏み外せば谷底へ真っ逆さま。
最後の難関。頂上直下の長い鎖場。最後まで気を抜けない。もちろん落ちたら死にます。それにしても「蟻の戸渡り」は何処へ消えた?とこの時はまだ思っていた。
ハイ、着きました。ここが岩櫃山頂上。狭い頂上の上に一人用の特設ステージ?が設けられている。
Mさんも必至に鎖に食らいついて頂上へ到着。頂上が狭いから、どうも落ち着かない様子だ。その上ひな壇に上がれと私が言うもんだから、もう高い所は嫌ってな顔をしている。キーミ、キミ、登山ツアーなんかじゃこんな山へは来られないんだから、しっかり記念写真を撮っておかなくちゃあかんよ、アーン。
頂上からは奇岩で知られる妙義山方面や
以前登ったことの有る小野子山、中の岳、十二ヶ岳と言った群馬の山々が一望出来た。
正面に見える別なピークに場所を移してお昼にする。だがMさんはまだ食事を摂る気分にはなれないようだ。暫くして漸く持参の弁当を食べ始めながら、頂上の方を眺めて曰く、
「良くあんな所を登ったもんだ。ここから見ているととても登れる気がしない。」
さもありなん。実は私もこの頂上直下の鎖場のことはすっかり忘れていたのだ。
下山は峰コースを通り、赤磐通りに下りる前回のコースをと思ったが、もう危険な所はこりごりだと、Mさんが辟易しているようなので、安全な沢コースの道を行くことにした。
沢コースの登山口に着く。ここは岩櫃城址へ行く道でも有る。
岩櫃神社が近くに有ったがお参りせずに(このバチ当たりめが)車を置いた密岩登山口近くの駐車場へ急ぐ。3kmほどの距離だが。こちらの方が却って登山より疲れた?帰りに岩櫃城温泉に寄って汗を流す。まあ、無事に生き残れました。良かったね、Mさん。