「ジャッジャジャーン！」の声とともにチャイムを鳴らさずに遠慮無く我が家に侵入してくるＫさんが現れるのは大体いつも夕刻5時を回ってからだ。勤務先の中学校からの帰りなのだが、何故か学校と家が近いのにわざわざ遠回りして我が家に立ち寄る。理由の一つは奥さんも小学校の教師をしているため帰りが遅くなるので、家で一人で待っているのが退屈だからのようだ。
もう一つはＫさんが気の置けない誰かと話をしたいからなのだろう。まあ趣味が同じと言う事も有るのだが、何より愚痴をこぼしたり、一緒に喜んだり、笑ったりして欲しいのかもしれない。「喜びは他人に話す事で倍になり、悩みや悲しみは他人に話す事で半分になる」というから、自然とこの男は実践しているのだろう。
さてこういう時は大抵この男の独演会で、私は専ら聞き役だ。口を挟もうなら「まあ、聞け」で遮られ、再び独演会が始まる。まあ愚痴や喜びを聞いて欲しい時は、別に相手の意見を聞くためにしゃべっている訳では無いので、どうしてもこうなるのはやむを得ない。私はひたすら「フン、フン」を繰り返すだけだ。
で、昨日も延々と話し込まれ、奥さんから電話がかかってくるまでの8時過ぎまで私の夕食はお預けとなった。う〜ん、Ｋさん、君はいいよ。うちへ帰れば奥さんが夕食を作って待っていてすぐに食べられるのだから。我が輩はどうなるんだ？君が帰った後で夕食の支度に取りかかり、食事はそれからになる。オイラ腹が減って背中の皮がおなかにくっつくぞ〜。おまけに食事後に予定していた事は何にも出来なくなるし・・・・・・。
Ｋさんも仕事が忙しい時は滅多に立ち寄らないんだけど、暇だと頻繁に現れる。それだけ来やすい我が家って事になるんだろうけど、お願いだから度々の夕刻攻撃は勘弁してよ。あっ、いけない。つい愚痴をこぼしてしまった。どうやらオイラの愚痴のこぼし場はブログのようで。へい、ご退屈様。
