すかんぴんのブログ「今日もヒマだぁ~」

暇を持て余して、お山、お絵かき、蕎麦打ち、山菜採り、キノコ採り、音楽鑑賞、オーディオ、パソコンと、あれこれ手を出し、もがいているジジイのページです。

格差が広がる社会

 安倍政権がどんなに口を酸っぱくして景気は徐々に良くなっていると言っても、下々の者はそれを実感しないであろう。今日のNHK「クローズアップ現代」を見て一層その感を強くした。非正規雇用は今や労働人口の37.5%を占めているという。つまりは3分の1が使い捨ての労働力になったと言うことだ。しかもここへ来て個人請負なんて変な働き方が出て来た。これは文字通り個人でその仕事を請け負うことであるが、受けた仕事は自分自身の責任になるから、労働時間を逸脱してもやり遂げなければならないし、もし病気、怪我などで達成出来なければ次に仕事をもらえる保証は無い。薄い儲けのため、いくつも仕事の契約をしなければならないし、派遣労働などと違って失業保険も受けられないし、各保証も無い。極めて厳しく、危うい仕事の形態と言わねばならない。

 思い起こせばそもそも労働派遣法の改悪は小泉政権の時に始まった。郵政改革のラッパを高らかに吹き上げる陰でとんでもない悪法を作り上げたのだ。長期の不景気と格差はこの時から酷くなったと言っても過言では無い。大学という最高学府を出た若者が定職に就けず、貧困に喘いでいる現実を安倍首相は一体どう見ているのか? 人の親なら、もし自分に年頃の娘がいて嫁に出したいと思う時、非正規雇用個人請負の若者の所へやっても良いなんて親があるだろうか?

 これで政府のお偉方が少子化を嘆くなどちゃんちゃらおかしい。政府がそのように仕向けているのだ。消費が上向かないのは当たり前だ。明日の身さえ分からぬ者が安心して買い物が出来るか?余計な物は買わずに失業した時のことを考え、蓄えに回すだろう。

 この派遣労働法の改悪は正社員を無くすことによって労働組合の弱体をも狙ったところが卑劣だ。今でこそ非正規労働者のための組合も出来つつあるが、まだまだその力は弱い。不平、不満を抑え、職場の労働改善を出来なくし、さながら言い方は悪いが奴隷工場のようになっている。結婚出来ない若者、未来が無い若者達がどんどん増えているのである。

 にもかかわらず先の参議院選挙は自公の大勝であった。それは巧妙なマスコミ操作があると思いたい。まあ、今これを書くと長くなるのでいずれ触れたいと思うが、マスコミもだらしなくなった。今のマスコミを見ていると戦前に帰りつつあるのでは無いかという不安に駆られる。

 ともかくこんな格差が生じて果たして医療、福祉、社会保障がこの先上手く行くと思っているのだろうか? 資本主義の行き過ぎた弊害が明らかに出始めている。トマ・ピケティの言うように「富の再配分」を行う時期が来ているように思う。さもなければ再び世界大戦に突入する危険性を孕んでいると言えよう。