この前床屋さんに行った時私が以前愛読していた「ビッグコミック」が有ったので、久しぶりにチョイと中を見てみた。しかしどれと言って面白い漫画は無かった。一体どうしてこうもつまらなくなってしまったのだろう?
私が歳を取ってしまったからか?いや、そうではあるまい。
まず第一に絵がおしなべて下手で有る。簡素化して描いてある云々の問題では無い。絵が汚いのが多すぎる。そしてキャラクターがどの漫画も他の作家のキャラクターに似ているような絵柄だ。無論その作家のアシスタントをしていたのならそれもわかるが、(例 神田たけ志⇒さいとうたかを、永井豪⇒石ノ森章太郎)そうでない場合でも若手作家の場合似てくるのは何故だ? また絵柄が汚い。これはどうにも我慢出来ない。全体に話のスケールが小さくなってきているのも残念だ。
ギャグ漫画やストーリー漫画両方においてそれが言える。先に挙げたビッグコミック(オリジナル、スペリオール含む)を例に挙げれば昔は錚々たる作家が名を連ねていた。手塚治虫、横山光輝、白土三平、さいとうたかを、園山俊二、小島功、ちばてつや、バロン吉本、篠原とおる、望月三起也等々、今思い返しても凄い陣容だったと思う。掲載された作品はどれもこれも面白かったから、当時は週刊漫画アクションなどと併せてよく読んだもので有る。
若手漫画家の中にもかなり良い作品も有るが、それらはほんの僅かだ。このところ漫画本の売れ行きが落ちていると聞く。それは作品の質が落ちてきた事の証明に他ならない。我が新潟県は赤塚不二夫、高橋留美子、小林まことなど多くの漫画家を輩出した漫画王国だけに頑張って貰いたいものだ。
日本の漫画は今や外国で異常に人気が高いそうだが、昨今の凋落ぶりではとても世界に自慢出来ない。若手漫画作家諸君、もう少し頑張ってうるさ型の我々年寄りも楽しめる作品をもっと描いてちょ。