二日程前の晩に電話が掛かってきたので出るが直ぐに相手が誰か分からなかった。相手は西本町のＮと名乗っている。最近はとんと血の巡りが悪いから、思い出すのが容易でない。特に人の名前を思い出すのが駄目だ。しかし、珍しくこの時は声に聞き覚えが有ったので思い出す事が出来た。
その人は私がまだ二十歳代に家庭教師をしていた時の生徒さんだった。そこの家のお祖母さんがうちの両親の仲人と言う関係から、恩返しのつもりで教え始めたような物だったが、彼は素直で良く出来た生徒さんだった。歳は幾つ違いかもう忘れたので、電話で聞くと八歳年下と判った。道理で当時弟の様な感覚で教えた覚えが有る。
どうして電話が掛かってきたかというと、彼の実家に年賀状を出したのだが、現在誰もいないので、彼の所に転送されたという。彼のお父さんが昨年５月に亡くなり、お母さんは現在介護施設に入っているとの事だから、手紙が行くと転送されるようになっていたのだろう。
さて私の年賀状には私のホームページのアドレスが書いてあったので、早速私のサイトに行ってみたという。で、山登りやブログなどお互いが同じような事をやっていたので、大いに意気投合した。彼は転勤が多いそうなので、全国の山が登れて羨ましい。いつか一緒に登りませんかと誘われた。嬉しい限りで有る。しかし向こうは私よりも８つも下だから、まだまだ体力充分。それに引き替えこちらは年々低下するばかり。果たしてついて行けるか、いささか不安で有るが、その時は頑張ってみよう。
彼が学校を卒業してから一度だけ有った事があるが、もう何年前になるだろう。いつの間にか彼も５０代後半になってしまったが、会えばきっと気持ちは昔に戻るに違いない。再会が楽しみである。
