Kさんと一緒にi先生の所へ遊びに行った際戴いたのが、昔の音楽雑誌でラジオ技術社が発売していた「ステレオ芸術」だ。戴いたのはその雑誌のオーディオを特集した季刊誌で1967年の秋号と表紙に有る。1967年というと私はまだ中学3年生。その頃はまだ将棋に熱中していてオーディオには庵の関心も無かった。
で、内容を見てみると私のよく知っている装置も少なからず有る。またリスニングルームの写真を見るに付けても当時の日本の住宅事情の悪さがよくわかるし、今の家と比べてかなりの格差だ。(笑)それでもマニアはやはり当時からオーディオに熱くなっていた事がよく分かる。
とにかく読んでいても面白い。今のオーディオ雑誌は読んでいても余り熱くなる事は無いが、何故かこの当時の記事を読むと熱くなるし、日本経済が成長に向かっていることがよく分かる。ちなみにこの雑誌の価格は特価で430円也。その当時の物価と今のそれを比べるとおそらく10倍位になっているだろうから、430円は結構高かったと言えるだろう。
無理も無い。オーディオが全盛期を迎えるのは70年代に入ってからで。まだまだ当時はステレオ装置が入っている家庭は有ってもハイファイと呼ばれるほどの装置を持っている家はほんの一握りで有っただろう。況してやオーディオの本を購入する人はかなり裕福だったに違いない。(尤も好きとなったら無理をしてでも買う人もいるが・・・)
恐らくオーディオは嘗てのように隆盛だった時代を再び迎える事は有るまい。それだけにこの本を読むとオーディオに情熱を燃やしていた若かりし頃を思い出して、「オーディオ時代、カムバッ〜ック!」と叫んでしまいたくなるのだ。