すかんぴんのブログ「今日もヒマだぁ~」

暇を持て余して、お山、お絵かき、蕎麦打ち、山菜採り、キノコ採り、音楽鑑賞、オーディオ、パソコンと、あれこれ手を出し、もがいているジジイのページです。

音楽鑑賞の時間(長文です)

 小学校、中学校と音楽は余り得意科目では無かった。音感はそれほど悪いとは思わなかったが、何せ不器用である。楽器は笛はともかく、他の楽器はからっきし下手糞であった。そのトラウマは今も残り、楽器を買っても満足に弾けた試しは無い。まあ、尤もそれほど一所懸命練習した訳でも無いし、教えてくれる人もいなかったから、無理も無いが。でも器用な人って教わらなくても何故か出来ちゃうんだよね。んで、そう言う人は絶対音感が有ったりして、楽譜なんか読めなくても聴いただけで演奏出来るんだよね。ああ、熟々そう言う人が羨ましい。

 

 閑話休題。そんな私でも中学校での音楽の成績は悪くも無かったが、5段階評価の5は戴いた事が無かった。まあ、楽器が下手なんだからしょうがない。だから評価は3年間ぜーんぶ同じの4。筆記試験で点を稼いでいたんだね。(笑)でも実技科目っていくら筆記試験で良い点とっても意味が無い。やはり実技が出来てナンボだし、楽器が演奏出来た方が楽しいに決まっている。

 

 しかし、小学校で6年間、中学校で3年間習っていながら、碌に楽器を演奏出来ないと言うのも困ったものだねえ。(笑)まあ、不器用だったのも確かに有るけど、練習するのが面倒くさかったと言うのも有るみたい。(笑)だから成績は悪くなくても音楽の授業が楽しかった訳では無い。寧ろ「コールユーブンゲン」を使って楽譜を読む練習なんかはチンプンカンプンで、ちっとも面白くなかった。

 

 まあ歌うのはそんなに嫌いだった訳でも無いが、本当は大勢で歌うのってあんまり好きでは無かった。私はみんなと合わせて何かをやるというのが嫌いだったのだ。要するに協調性が無かったのだが、一応我慢してやっていたのである。

 

 そんな然程好きで無かった音楽の時間にただ一つ好きだったものがある。それは音楽鑑賞の時間で、これは小学校の時には無かった時間で有る。これが大体確か二ヶ月に一回くらい有った。何で好きだったかと言うと、ただ聴いていれば良いからである。無論聴いた後は感想を言ったり、書かせられたりするが、そんな事はお茶の子さいさい。いくらでも出任せを言えるし、また適当に感想も書けた。当時から文才?だけは有った。

 

 まあ、この時間が好きだったのは何もサボれるからばかりでは無い。クラシック音楽を掛けて貰えるのが嬉しかったのである。当時の我が家はビンボーでとてもステレオ装置なんぞ有る訳がない。だから音楽を聴くにしてもラジオかテレビから流れてくるそれを聞くしか無かったのである。でもそれは所謂ステレオ装置でレコードを掛けて流れてくる音とはだいぶ違う貧弱な音であった。だが友人のK君ちではステレオが有って、私は良く聞かせて貰ったもので有る。お陰で随分とクラシック音楽に親しめた。友達とは有りがたいものですな。

 

 ところで音楽室で聴く音は素晴らしかった。今思い起こすと、部屋の正面の両脇にスピーカー台にでーんと乗っかった大きなスピーカーが有った。何処のメーカーかは忘れたが、三菱の2S-305に似たようなスピーカーだったと思う。いや案外そうだったのかも。

 

 とにかくそのスピーカーで聴く音は当時の私にとってど迫力。チキショー、いいなあ。いつかこんないい音で、家で思い切り大きな音で聴いてみたいと思った物だ。今考えると、もうその頃からオーディオ指向が始まっていたのかも知れない。(笑)

 

 ではその後好きな音楽はクラシックになって行ったかというと然に非ず。その頃は60年代のアメリカン・ポップスに日本語の歌詞を付けて歌われていたのが流行っていたから、まずそちらを好きになり、次いで70年代に入ると英会話を勉強していた関係も有り、今度はアメリカン・ポップスその物を好きになる。そしてその後はジャズになり、同時にクラシックも聴くようになった。やっと中学校の音楽鑑賞で聴いていた音楽を聴けるようになったのである。

 

 音楽鑑賞の時間は時間の制約もあるから交響曲組曲などの長いものは全曲を聴く訳には行かない。言わばさわりだけだが、今度は全曲聴いてやっとそれなりに分かるようになってきた。まあ、あの音楽鑑賞の時間が無ければ、今オーディオをやっていたかは分からない。多分にK君や兄の影響もあったしねえ。 

 

 でもそのお陰で随分とオーディオ装置にもレコードにも金をつぎ込んでしまったから、果たして音楽鑑賞の時間が有ったのが幸いだったかどうか? ともかくこうして振り返ってみると、私にとって音楽とは楽器を演奏したり、オーディオ機器を製作したり、いじったりする事では無く、ただ聴くだけだったんですな。エー、ノメシコキの性分という物は大人になってもやはり変わらないという事でありました。チャン、チャン。