この間この欄で書いた無くなった小説本の話だが、倉庫で別な物を探していた折に、ひょんな事から見つかった。何と私は昨夏の倉庫整理の際、それを発見して見つかったと喜んで、倉庫の一角にまた置いといたのだ。それをすっかり忘れていて、無くした物と騒ぎ立てていたのだ。ああ、恥ずかしい。
それにしても記憶とは曖昧な物だ。実は見つけた箱は倉庫へ入る度にやたら見ていたのに、本を入れていた段ボール箱はリンゴ箱のようにやや大きめの箱に入れていたとの記憶がある。所が実際はやや小さめのミカン箱程度の箱だったから、てっきりそれでは無いと勘違いしていたのだ。
いや、元々は確かにリンゴ箱程度の箱に入れていたのかも知れないが、壊れたか何かして、今の箱に移し替えたのかも知れない。とにかく倉庫整理をしていた時は夢中でやっていたから、その間の記憶はどうもあやふやだ。先入観念とは恐ろしい物で、一度リンゴ箱と記憶していたから、どうもそこから抜け出せないでいたようだ。
しかし、見つけた事をすっかり忘れて、昔のとっておいた記憶や、捨てた覚えは無いなどの記憶はしっかり有るんだから、嫌になってしまう。やはり歳を取ると、新しい記憶は中々残らずに、昔の記憶は鮮明に残っているんでしょうな。だから勘違い、思い違いをすることになってしまう。
でもまあ、見つかって良かった。今度はしっかり自分の目の届く所に置いて、少しずつ読んで行こうかなと思っています。全部読むまでは簡単に死ねませんな、こりゃあ。コロナ禍の退屈凌ぎの材料がまた増えました。有り難や、有り難や・・・。
有り難や、やっと見つかりました。